落ち着きの悪い図だが、サルタヒコとアメノウズメを蛇と太陽(シャコ貝)の子として位置づけてみて、その属性や行動、機能の由来をイメージしてみたい。
これらはその由来の多くをシャコ貝に依っているように見えるのが、母系社会を暗示して面白い。
1.生命の源(太陽)
2.境界(子宮)
3.先導(胞衣)
4.開く(性)
5.魔除け(十字)
こうして系列化してみると、サルタヒコとアメノウズメの場合、2~5の機能を開示してみせている。しかし、その背後には1の機能が控えているから、彼らは奔放で溌剌として見えるのだろう。
また、これを描いてみて思うのは、琉球弧で「魔除け」と言われているシャコ貝も、正確には「蛇×シャコ貝」というのが正しいことになる。
多和田真淳は書いている。国頭の安田には、「魔除けにアザカを植える慣習が昔のままに残っていた」。
アザカを植える方法は魔物や幽霊の出る(立つという)屋敷の門口の道路面に穴を掘ってシャコ貝の合わせ口を天に向けて埋めるのである。
埋める前にシャコ貝の腹の中にダシチャクギという木片・・・大抵アデクの木片をつかう・・・を入れておくのが普通である。(「古琉球の祭具」『多和田真淳選集 古稀記念 考古・民俗・歴史・工芸篇』)
ここにいう「ダシチャクギ」が「蛇」だ。