胞衣を埋める時は、満潮時が多いようだが、干潮時の場合もある。
汀間(名護) 潮が引いたとき
与那(国頭) 満潮時
謝名城(国頭) 潮が満ちたとき
比屋定(久米島) 満潮時
具志堅(本部) 潮とは関係ない
(崎原恒新、恵原義盛『沖縄・奄美の祝事』)
胞衣を埋めるのは、「あの世」との境界部に胞衣を置くことを意味する。また、胞衣はサンゴ礁だから、胞衣を埋めるのは、サンゴ礁が外海に埋まることと同じなので、満潮時にするのがもともとだったと考えられる。それは、サンゴ礁(胞衣)が「あの世」に近づくときと思考されたのではないだろうか。
比屋定(久米島)では、胞衣埋めのとき、弓矢(ハンチャヤマ)で箕(ミージョーキー)を三回射る。弓矢は蛇、箕は太陽(貝)。これは性交の暗喩であるのか、太陽を射落としているのか分からない。けれど、胞衣とかかわるのであれば、太陽拝ませと同じ意味なのかもしれない。
もうひとつ。伊計島では、胞衣は「イラ」になる。これは、yuna > iuna > iina > iia > iya > ida > ira (iza) と整理しておける。