島村幸一の『おもろさうし』メモ。
「せい」「せ」「すゑ」「すへ」は霊力を意味する語。
「世」(ユー)。収穫、実り。豊年。
「合(あ)おて」は、「戦って。今の方言では、「オーユン」という」。古語<会ふ>に通ずる。
「てだが穴」は、「太陽が出る穴」。東から太陽の霊的な力をグスクに取り入れ、それによってグスクの霊的な力、ひいては城主の力を高めることになるという考え方。
「門(ぢやう)」は、正しく太陽が昇る穴。
「せぢ」は「せじ」の表記はなく、表記は「せぢ」のみ。方言は、スィジ。不可視の霊力、霊的な力。
「てるかは」は「神女が太陽」をいう語とも考えられる。
「東方に歩で/てだが穴に歩で」。神が祭りを終えて原郷に帰る航海。
久高島のイザイホーで謡われる「アリクヤー」。「にらーてぃ/はにゃぬてぃ」(ニライ海/カナイ海)。
オモロでは沈む太陽は謳われることはなく、昇る太陽が謳われる。「金真弓(かなまゆみ)」は立派な真弓。
「夏は しけち 盛る/冬は 御酒 盛る」。島村は、
「夏」は収穫した米により神酒を作って神祭りをし、「冬」は渡来した高価な酒により神祭りをするという年間を通した豊かさを謡っている表現と理解した方がよいのではないか。
と解してる。
「ヲナリ神の神霊が蝶や白鳥になって現れるという表現は、それほど広く琉球のウタや説話類にあるわけではない」。