何もこういうことに冷徹な視線を向ける気はないのだが、こういう研究があることに驚いた。
和田実は、嫉妬時のコミュニケーション反応について、四つの因子を仮説している。
1.非難・喧嘩
2.所有(自分のもの)の表示
3.相手の反応確認
4.否認・回避
「相手の反応確認」というのは、「不安そうに振る舞う」、「傷ついたように見せる」ことで、「否認・回避」は「平気なふりをする」「嫉妬していない」と「自分の感情を否定する」ことだ。検証の結果では、この4つの仮説は支持されたと著者は言う。
興味深かったのは、次のことだ。
相手の反応確認というのはこれまで見出されておらず、日本人特有のものかもしれない。というのは、日本文化の中で嫉妬を表明すること自体抵抗があるので、直接的な行動ではなく、間接的な行動で訴えて相手の反応を窺うのである。
そんな日本文化があるのか知らないけれど、これはそういうより、個人が明確には区別されていない、ということではないだろうか。
それから、こうした研究に関係をよりよく育むという視点は盛り込めないだろうか。そうしたものを読みたいと思う。