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Channel: 与論島クオリア
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ぶなぜー神話の位相 2

 もういちど、多良間島の兄妹始祖神話の位相を考えてみる。(参照:「ぶなぜー神話の位相」)...

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ぶなぜー神話の位相 3

 多良間島のぶなぜー神話は、母系社会以前の神話が、性交と出産の認識受容と神の発生以降に変形を受けている。ここで、この神話を「大きな波」以前に巻き戻してみると、次の形が考えられる。 ・ウイネーツヅから蛇、トカゲ、次に兄妹が出てきた。 しかし、これでは他界が存在していることになり矛盾するので、「貝」が最後に出る神話を経由していることになる。 ・ウイネーツヅから蛇、トカゲ、次に貝と女が出てきた。...

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ぶなぜー神話の位相 4

 多良間島のぶなぜー神話の特徴は、神が発生したときに、トーテムではなく、渡来した勢力でもなく、「兄妹」を神化した点にある。しかも、あからさまに性交と妊娠の認識の受容を盛り込んでいる。 ここに至るまでには、いくつもの段階が存在する。 洪水後、 1.蛇、トカゲ、兄妹(兄妹婚) 2.蛇、トカゲ、貝、女 3.蛇、トカゲ、貝、苧麻、(女) 4.蛇、トカゲ、貝、苧麻、蟹、兄妹(母系社会)...

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波照間島の始祖神話・アラマリヌパー

 波照間島の始祖神話。...

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兄妹婚をめぐって(モルガン『古代社会 下巻』)

 もう顧みられることもない論考なのかもしれないが、兄弟姉妹婚に言及しているのだから眼を向けてみる。 モルガンによれば、血族のうち、兄弟姉妹のカテゴリーは、「わたくしのいとこ、またいとこ、またまたいとこおよびさらに遠縁の男女のいとこ」になる。これらはすべて「わたくしの兄妹姉妹である」。...

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親子婚と兄妹婚のタブ-の発生

 巨大なテーマなのだから、もとより試論の域を出ない。ただ、琉球弧の精神史から見えてくるものを備忘しておく。...

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「境界紀行(三)与論島 たましいの行方をさがして」(谷川ゆに)

 風葬という言葉が好きだ。風葬が好きだと言ってもいいかもしれない。それは死者を風に晒すという原義を持つだろうけど、死者が風になると受け止めることもできる。与論では、近代化の過程で風葬を禁じられ、土葬へ移行した経緯があった。しかし、それはスムーズに行われたのではなく、島人の気持ちは抗った。埋葬は「このうえもない不人情」だと感じたのだ。 谷川ゆには、そこをこう掬い取っている。...

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『神話と近親相姦』(吉田敦彦)

 死は火による料理と結びつく場合がある。 南米原住民のあいだでは、人間の生命を短くする事件は、人間が太古に火を手に入れ、食物を料理して食べることができるようになった過程で起きたとされる。あるいは、腐木の呼び声に応え、または腐木のある世界に移住したことであったとも語られる。...

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埋めない葬法と思考

 久しぶりに葬法と思考を考える機会を得た。ここでは、埋めない葬法を取り上げる。 現象的に現われる葬る姿勢に対して、そこに宿る思考は多様になる。それは、思考の累積が心の地層として折り重ねられているからだ。 これを踏み外さずに抽出するには、他界概念に対応させるのがいいと思える。葬法は他界に呼応するからだ。...

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「インセストとその象徴」(内堀基光)

 「インセストとその象徴」のなかで内堀基光は書いている。 ボルネオのケラビット族にはこんな説話がある。ひとりの孤児が野生動物と遊んでいるのをみて、村人がそれをあざ笑った。すると、雷雨が突然、村を襲い、村人と少年は石と化した。...

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「インセストとしての婚姻」(出口顯)

 出口顯はトーテミズムについて書いている。このトーテミズム的分類法では、人間と動物は祖先と子孫の関係や配偶者の関係、つまり「同一者」になることがある。そのため人間が動物や魚の肉を食べるのは共食い(カニバリズム)になる。...

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「性と「人間」という論理の彼岸」(小馬徹)

 小馬はトーテミズムについて、書いている。...

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ザン(ジュゴン)儀礼の幻視

 幻視するザン(ジュゴン)儀礼の細部をみておく。...

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「恋愛関係嫉妬時の情動とコミュニケーション反応-嫉妬の強さおよび性との関連-」(和田実)

 何もこういうことに冷徹な視線を向ける気はないのだが、こういう研究があることに驚いた。 和田実は、嫉妬時のコミュニケーション反応について、四つの因子を仮説している。 1.非難・喧嘩 2.所有(自分のもの)の表示 3.相手の反応確認 4.否認・回避...

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『民俗学の愉楽―神と人間と自然の交渉の学、谷川民俗学の真髄』

 FOR BEGINNERSと銘打っているものの、中身は民俗学の入口に導ているのではなく、この時点での谷川健一の問題意識のフロントラインを開陳していて本格的だ。ただ、入門者にこそ本格的なものを投げかけなくなるのは分かる。 いくつか対話を試みておきたい。 まず、「うぶ神とうぶすなの神」。うまれたばかりの子供を守るのは、「うぶ神」。...

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「生命の自己表出史 多層自己論」(青木正次)

 人間と自然の関係は、「食う-食われる」から、たがいに共鳴して感知されるようになると、「養う-養われる」という性の水準に移行する。生命は「界」像をなす、と青木は書いている。食う作動は共振する場「界」を吐いて、生命じたいを包むように感知される。我らの想像しやすいイメージでは、「母胎」という界像だろう。食う作動は声を吐いて、そこに界像を含むようになり、その共鳴する生命は「うた」声をなす。...

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「魂のふるさとを訪ねて」(新企画イベント)

 新潮社の「波」に「境界紀行」を連載中の谷川ゆに(吉田麻子)さんとペアで、新企画「魂のふるさとを訪ねて」というイベントを行ないます。 谷川さんが昨年、吉田麻子名で出版した『平田篤胤』は好評を博しているので、お読みになった方も多いことでしょう。(参照:『平田篤胤 交響する死者・生者・神々』)...

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「万葉集に蝶はないが、鳥の歌はたくさん現われる」理由(今井彰)

 『蝶の民俗学』で今井彰は書いている。鳥は鶏が家畜として身近な存在であったことから、次第に霊性を失っていったことに対して、蝶はその変態の故に、いっそう不思議なものとして存続し、古代人は鳥よりも強く長く霊性を意識したのではなかろうか。このように解釈しなければ、万葉集に蝶はないが、鳥の歌はたくさん現われることが理解できない。...

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トーテムの系譜と島人の思考 5

 蛇トーテムの次に来るのはトカゲ・トーテム。トカゲは、蛇に足が這えたものだ。これは人間の自己認識が、手足に向かったことを意味している。蛇は、「腸管」に類似を感じたのに対して、トカゲには「手足」に類似を感じた。前者が内蔵表出という霊力思考そのものであるのに対して、後者は体壁表出という霊魂思考が見出せる。...

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『日本人は死んだらどこへ行くのか』(鎌田東二)

 著者は「この世」と「あの世」の関係をこう書いている。(前略)「あの世」と「この世」はけっして隔絶していません。ある種の入れ子構造のようになっていて、相互作用を起こしています。二つあるけれど、二極化はしていない。あの世はこの世の中に入り込んでいて、この世もあの世も一体となって往来しているのです。 これは難しい。言い換えれば、これをほぐすことができれば、この本を読んだということになるのだと思う。...

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