ここでやってみたいのは、琉球弧の島で、サンゴ礁形成開始以降、どの段階で人間活動が確認されているかだ。
資料は限定しているので、入れるべき島は追って追加していくことにする。ここではおおよその傾向をつかみたい。また、奄美、沖縄と宮古、八重山が分離されるのは、精神史を扱ううえでは不便なので同じ表にする。
これでつかめるおおよその傾向は次の通りだ。
1.大きな島の開始時期ははやい(奄美大島、徳之島、沖縄島、石垣島、西表島)
2.大きな島の近くにある島は相対的にはやい(伊平屋島、沖永良部島、具志川島、伊江島、渡嘉敷島、久高島)
3.先島は、奄美、沖縄に比して、遅れて開始されている。
4.サンゴ礁島は遅めの開始になっている(与論島、久米島、宮古島、竹富島)
この傾向からして特異なのは、多良間島、波照間島、そしてもしかしたら与那国島だ。
前1期:伊藤圭「ヤブチ式前後の土器相について」
前2期:横尾昌樹「貝塚時代前2期の土器編年について」
前4期:崎原恒寿「点刻線文系土器群について」
前5期:森田太樹「奄美諸島における前5期の土器について」
後1期:玉榮飛道「沖縄諸島の肥厚口縁土器、無文尖底土器」
※上記は、『琉球列島先史・原史時代における環境と文化の変遷に関する実証的研究研究論文集 第1集 琉球列島の土器・石器・貝製品・骨製品文化』
下田原期、無土器期:山極海嗣「宮古・八重山諸島先史時代における文化形成の解明 遺跡属性と生態資源利用の地域間比較を通した文化形成の考察」