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Channel: 与論島クオリア
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土器とサンゴ礁形成

 これまでの土器理解に、サンゴ礁地形の形成を改めて重ねてみる(菅浩伸「琉球列島のサンゴ礁形成過程)。 約8000年前、遊動期にサンゴ礁の形成が始まる。条痕文土器がつくられていた頃の約5500年前に、サンゴ礁が海面に到達する。 そして定着期に入る約4500年前、サンゴ礁は礁原を拡大し、防波構造を強化させていく。これは、順番は逆でサンゴ礁の発達が定着を促したというべきだろう。...

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「宮古・八重山諸島無土器期における地域間変異と生態資源利用」(山極海嗣)

 「無土器期」は、BC1002~AD668(これは約3000年前から2千数百年前ということになる)。この間について、山極海嗣は八重山では「石材産地としての移動を伴う石材利用」、宮古島では「貝類利用」となると書いている(「宮古・八重山諸島無土器期における地域間変異と生態資源利用」「物質文化」95、2015.3)。...

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「宮古・八重山諸島先史時代における文化形成の解明」(山極海嗣)

 この論考、「宮古・八重山諸島先史時代における文化形成の解明 遺跡属性と生態資源利用の地域間比較を通した文化形成の考察」(山極海嗣、2016.03)を読むに当たって、宮古、八重山の編年を組み込んでおく。勘所をつかめるようにしたい。□火山島(陸島・洋島) ・鉱物資源が豊富(陸島>洋島) ・土壌が肥沃=植物資源が豊富 ・水資源が豊富(降水多・河川・湖) ・災害のリスクが低い(津浪・高波・旱魃)...

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島別貝塚(遺跡)確認段階

 ここでやってみたいのは、琉球弧の島で、サンゴ礁形成開始以降、どの段階で人間活動が確認されているかだ。 資料は限定しているので、入れるべき島は追って追加していくことにする。ここではおおよその傾向をつかみたい。また、奄美、沖縄と宮古、八重山が分離されるのは、精神史を扱ううえでは不便なので同じ表にする。 これでつかめるおおよその傾向は次の通りだ。...

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編年の近接

 もしかしたら時間のとり方を間違っているかもしれないが、保留するとして、北琉球と南琉球の編年を対照させてみる。 ここで気になるのは、北琉球の前3期と南琉球の下田原期、北琉球の前5期と南琉球の無土器期の開始が近接することだ。...

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白保竿根田原洞穴遺跡の崖葬墓

 再度、片桐千亜紀の「琉球列島における先史時代の崖葬墓」を見てみる。 今回の関心は一点のみで、宮古、八重山の先史時代の「崖葬墓」の存在だ。片桐によればそれはひとつだけ確認されていて、「白保竿根田原洞穴遺跡」とされている。ここは近年、旧石器時代の人骨も発掘されているから、それとは区別されなければならない。 資料では、3970BPとされ、下田原期に当たる。そして「再葬・集骨」とされている。...

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「先島諸島における先史時代のヒトと生態史」(マーク・ハドソン)

 宮古島の長墓遺跡からは「年代を決定する遺物はほとんど含まれていな」い。そこでマーク・ハドソンは、放射性炭素年代測定を実施したとしている(「先島諸島における先史時代のヒトと生態史-宮古島長墓遺跡を中心に」)。 この結果をみると、下田原期に宮古島には遺跡はないとされているが、約4400年前~約3200年前の測定結果になっている。...

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「宮古・八重山諸島先史時代における文化形成の解明」(山極海嗣) 2

 この論考を読むと、先史時代の宮古、八重山では、石垣島を起点に、西表島、波照間島、多良間島、そして与那国島、宮古島へと螺旋を描いた島人の動きがイメージされてくる(「宮古・八重山諸島先史時代における文化形成の解明 遺跡属性と生態資源利用の地域間比較を通した文化形成の考察」山極海嗣、2016.03)。もちろん山極がそんなことを書いているのではなく、ぼくが勝手にイメージしたということだ。 下田原期...

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「宮古・八重山諸島先史時代における文化形成の解明」(山極海嗣) 3

 下田原期は、北琉球の前3期に近接している。北琉球では、貝トーテムの発生であり、死の受容の段階として捉えてきた。これは、南琉球では同じではない。...

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先島の螺旋運動

 山極海嗣の論考を読んで、思い浮かぶ螺旋運動はこのようなものだ(「宮古・八重山諸島先史時代における文化形成の解明 遺跡属性と生態資源利用の地域間比較を通した文化形成の考察」山極海嗣、2016.03)。...

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「宮古・八重山諸島先史時代における文化形成の解明」(山極海嗣) 4

 無土器期で出土数の多い貝を、貝塚ごとに追ってみる(「宮古・八重山諸島先史時代における文化形成の解明 遺跡属性と生態資源利用の地域間比較を通した文化形成の考察」山極海嗣、2016.03)。 神田貝塚。 遠浅の砂地に生息するアラスジケマンガイが85%、72%と圧倒的。「シャコガイ科などサンゴ礁生息の大型貝類や、リーフエッジ生息の貝類は少ない」。...

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北琉球と南琉球の照応

 北琉球と南琉球では、時間的な段階は、前3期と下田原期、前5期と無土器期が近接している。これは、サンゴ礁の発達を根拠にしているとみなせる。 しかし、これを島人のトーテムの段階とみなせば、下田原期は前2期と、無土器期は前3期に似ていると言える。トカゲと貝、だ。

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北琉球と南琉球の照応 2

 「サンゴ礁研究からみる琉球弧の地史と完新世景観史研究の射程」には、こうある(『石垣島の景観史研究 : 名蔵地区の浅層ボーリングと低地発掘調査1』山口徹、小林竜太 編)。...

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「宮古・八重山諸島先史時代における文化形成の解明」(山極海嗣) 5

 下田原期でも貝類の出土は多い(「宮古・八重山諸島先史時代における文化形成の解明 遺跡属性と生態資源利用の地域間比較を通した文化形成の考察」山極海嗣、2016.03)。...

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「宮古・八重山諸島先史時代における文化形成の解明」(山極海嗣) 6

 山極は、下田原期の古段階と新段階をこう位置づけている(「宮古・八重山諸島先史時代における文化形成の解明 遺跡属性と生態資源利用の地域間比較を通した文化形成の考察」山極海嗣、2016.03)。下田原期における古段階と新段階という時間差は、ピュウツタ遺跡や大田原遺跡などを中心とした回遊的な動き(古段階)と、下田原貝塚を中心とした回遊的な動き(新段階)の時間差として捉えることができる。 古段階...

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「リモートセンシングによる石垣島サンゴ礁形成史の地域差推定」(小林竜太、山口徹、 山野博哉)

 下田原期の前半(4800-4200年前)は、川平の北側、太平洋沿岸の一部に礁嶺が形成された。下田原期の後半に(4200-3600年前)は、側方成長によって分帯構造を形成。「現在と比べて礁嶺の幅は狭く、礁池の深いサンゴ礁だったと考えられる」(「リモートセンシングによる石垣島サンゴ礁形成史の地域差推定 先史資源利用研究に向けて」「考古学研究」2013、小林竜太、山口徹、...

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北琉球と南琉球の照応 3

 時間的に下田原期に呼応するのは、前3期。無土器期は、宮古で前5期、八重山で後1期になる。 これをトーテムの思考としてみれば、下田原期は前2期に呼応する。無土器期は、宮古は前3期に呼応し、八重山は後1期に呼応する。...

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先島の螺旋運動 2

 いまのところ、これが何を意味するのか問われても困るのだが、「先島の螺旋運動」を更新しておく。 ここでイメージしようとしているのは、宮古、八重山の思考の段階は、螺旋を描くような地理的分布によって示されるのではないかということだ。可能性としては、ここに、トカゲ、貝、蟹、アマンまでのトーテム変遷が内包される。

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立地とトーテム

 粗雑な整理だが、下田原期、無土器期の立地を確かめてみる。 ここでやってみようとしているのは、キャンプ地・集落(シマ)立地は、トーテム生息地に似せる、ということだ。 目安として、 赤土台地:トカゲ 台地に囲まれた砂丘:貝 砂丘:蟹 に対応させている。貝は台地上にもありえるはずである。他に、貝については、より詳細に見ていく必要がある。...

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先島の螺旋運動 3

 先島の螺旋運動に編年を加えてみる。(山極海嗣「宮古・八重山諸島先史時代における文化形成の解明 遺跡属性と生態資源利用の地域間比較を通した文化形成の考察」、小林竜太、山口徹、 山野博哉「リモートセンシングによる石垣島サンゴ礁形成史の地域差推定 先史資源利用研究に向けて」) このなかに編年の定まらない与那国島のトゥグル浜遺跡は含まれていないと思われる。

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