山極は、下田原期の古段階と新段階をこう位置づけている(「宮古・八重山諸島先史時代における文化形成の解明 遺跡属性と生態資源利用の地域間比較を通した文化形成の考察」山極海嗣、2016.03)。
下田原期における古段階と新段階という時間差は、ピュウツタ遺跡や大田原遺跡などを中心とした回遊的な動き(古段階)と、下田原貝塚を中心とした回遊的な動き(新段階)の時間差として捉えることができる。
古段階
ピュウツタ遺跡・大田原遺跡(全地点)・白保竿根田原洞穴遺跡、フーネ第一遺跡、多良間島の多良間添道遺跡、おそらく西表島
新段階
波照間島の下田原貝塚
そうすると、回遊的な動きはこうなる。
下田原期
1.石垣島を起点に、島内や他島へ回遊
2.他島を起点に石垣島、他への回遊
無土器期
3.島内を軸に、他の場所へ回遊
これは、集落(シマ)ではなく、島への定着の推移として見ることができる。