「サンゴ礁研究からみる琉球弧の地史と完新世景観史研究の射程」には、こうある(『石垣島の景観史研究 : 名蔵地区の浅層ボーリングと低地発掘調査1』山口徹、小林竜太 編)。
放射性炭素年代には制約が多く、それぞれの時間幅を確定するのは難しいが、「信頼性の高い炭化物・植物遺存体試料に由来する限られた年代値を採用すると、下田原期は4850-3640cal.yBP、無土器期は1880-930cal.yBPとなる」。
とくに、無土器期の開始については、放射性炭素年代測定との開きが大きいようだ。そこで、「北琉球と南琉球の照応 1」を更新する。
島人の思考にとって何が問題になるかといえば、無土器期の島人が貝をトーテムとしていたとして、それが、サンゴ礁=貝という認識、あるいは蟹トーテムまで及んでいたかどうかということだ。
考古学やサンゴ礁学のあいだで、これだけの幅があるとなると、貝塚の立地からアプローチするのが有効なのかもしれない。