多良間島で見られるカニその他について(「多良間島の洞穴性および陸性十脚甲殻類」藤田喜久、砂川博秋))。
陸性・洞穴性
ヤシガニ、オカヤドカリ
ヘリトリオカガニ、オカガニ、ヤエヤマヒメオカガニ
オオカクレイワガニ、カクレイワガニ
イワトビベンケイガニ
ただ、「多良間島の海岸は、大部分が砂浜か岩礁の自然海岸であり、そのすぐ陸側には防潮林があった。.砂浜海岸では、オカヤドカリ類が観察されただけであった」。この結果は意外である。
多良間島の海岸環境においては,潮上帯の転石間および転石下から、ヤシガニ、ヤ工ヤマヒメオカガニ、オオカクレイワガニ、カクレイワガニ、イワトピべンケイガニ、オカヤドカリ類が観察・採集された.また.多良間島の周囲を取り巻く防潮林床の木片・,ゴミ,転石下から は,特にカクレイワガニやオカヤドカリ類が多数見いだされた.防潮林床からは、プラスチッ ク製蓋を宿員のかわりに利用していたオオナキオカヤドカリも観察できた。これら の十脚甲轂類は.いすれも琉球列島の海岸から内陸部にかけて見られる普通種である。しかし,ヤ工ヤマヒメオカガニとイワトピべンケイガニは,海岸の中でもやや特殊な,潮上帯の転石が集積した環境を生息場所としているため,そのような環境の少ない多良間島では,この2 種の個体数は極めて少なかった。
潮上帯も合わせると、陸でも海岸でも見られるのは、ヤシガニ、ヤ工ヤマヒメオカガニ、オオカクレイワガニ、カクレイワガニ、イワトピべンケイガニ、オカヤドカリということになる。