サンプルの少ない前1、2期について、野国貝塚に当たってみる。
(『野国貝塚群B地点発掘調査報告 (沖縄県文化財調査報告書 第57集)』から作成)
報告書による前1期(Ⅴ、Ⅳ層)と前2期(Ⅲ層)で、差異が気になるのは、
Ⅲ層にかけて、
・スベスベ族、トゲトゲ族、ギザギザ族、オウギ族、タテタテヨコヨコ族二枚、シャコガイ族、マガキガイ族の構成比があがっている。
・トンガリ族、マキマキ族二枚
ということだ。
マガキガイ、サラサバテイラ、ムラサキウズ、ニシキウズ、オニノツノ、ヤコウガイ、シレナシジミについては、ヘビとトカゲの両者で尊重されている。もともとトーテムとして、トカゲは手足の生えたヘビだから、共通性が多いのは合点できる。
マガキガイ:動く、牙のような爪を持つ、色合い
サラサバテイラ:とぐろ
ムラサキウズ:とぐろ
ニシキウズ:とぐろ
オニノツノ:とぐろ、牙
ヤコウガイ:とぐろ
シレナシジミ:とぐろ
そして、ヘビとしてはどれも大きく目立つということがポイントなのではないだろうか。これはそのままトカゲ(オキナワトカゲ)でも踏襲されているように見える。
むしろ、ちがいは両層で異なっている貝類に現れているかもしれない。
ヘビにあり、トカゲにない。
アマオブネ、イタボガキ
アマオブネのまだらな斑点、イタボガキの明瞭なとぐろは、ヘビ(ハブ)のものだ。
トカゲにありヘビにない。
チョウセンサザエ、ウミギク、クモガイ、イソハマグリ
ウミギク、クモガイをみると、トカゲの爪がことの他、着目されている。また、イソハマグリはトカゲの肌のてかりを示したものだ。チョウセンサザエは、分かりにくい。