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Channel: 与論島クオリア
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安良川遺跡のオカヤドカリピット 2

 8世紀の安良川遺跡から出土したヤコウガイは極端に小さい。木下尚子は、笠利半島東海岸で200年以上継続したとみられる大型ヤコウガイの選択的捕獲が、「ヤコウガイに執着する生業の偏り」を生み、「ヤコウガイを小型化」させたのではないかと書いている(「ヤコウガイ交易の可能性」)。...

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平安山原B・C遺跡の位相 1

 読谷の平安山原B・C遺跡から出土した貝類から、トーテム段階の位相を測ってみたい。(黒住耐二「平安山原B遺跡と同C遺跡の貝類遺体および本地域の遺跡出土貝類まとめ」から作成) Bの①~③とCのⅡ群、Ⅲ群の上下層を、段階がスムーズになるように配置してみた。ここで重視しているのは、イソハマグリの推移になる。ただ、イソハマグリがダントツになるので、途中でカットして他の貝類の推移も分かるようにしてみる。...

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平安山原B・C遺跡の位相 2

 より詳細にみるために、貝を科ではなく、似たものでまとめてその推移を辿ってみる。 ここで、族としてまとめているのは、見た目の類似によるが、まだ細分したり厳密にしたりする余地を残している。 もっとも上昇している砂族は、砂場に限らず岩場にもいる二枚貝を含めている。このなかで上昇著しいのがイソハマグリだ。目立たないが、小さく伸びているのは、ナミノコマスオとリュウキュウナミノコ。...

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平安山原B・C遺跡の位相 3

 実は、貝類からカニトーテムからヤドカリトーテムへの移行と見なした層は、報告書の判断と異なっている。Ⅱ群をヤドカリ段階と見なすのは同じだが、Ⅲ群下層は報告書ではカニ(大当原)、貝類からはヤドカリ(アカジャンガー)、Ⅲ群上層は報告書ではヤドカリ(アカジャンガー)、貝類からはカニ(大当原)で、反対になっている。...

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オウギガニ(大当原期)段階の貝比較

 オウギガニ段階(大当原期)にある貝類を比較してみる。平安山原遺跡のⅢ群上層のみは、ぼくの判断になる。 同じ段階にあると言っても、5地点に共通するのは、シラナミ、マガキガイ、イソハマグリ、ヒメジャコ、クモガイ、リュウキュウサルボウ、リュウキュウマスオ、オキナワヤマタニシ、ニシキアマオブネの9つのみだ。...

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カニトーテム段階の貝類推移

 充分な視力を得たとは言えないが、カニ・トーテムの段階を貝類の推移で辿ってみる。オカガニ段階は、前5期から後1期への推移が見られるシヌグ堂、スナガニ段階は、浜屋原式への移行が見られるものの、阿波連浦下層式の様相がみられる新城下原遺跡のⅤ層、シオマネキ段階は、同じく新城下原遺跡の川跡、オウギガニ段階は、平安山原遺跡のⅢ群上層から採ることにする。...

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カニトーテム段階の貝類推移 2

 カニトーテム段階の貝類をより詳細に追ってみる。シヌグ堂遺跡にサンプルを採ったオカガニ段階(仲原式)から。 オキナワヤマタニシ等の「陸産貝」(「報告書)」が圧倒的で、これはミナミオカガニの棲息地に呼応している。2位は、マガキガイでミナミオカガニの鋏との類似が捉えられている。3位の「チョウセンサザエの蓋」は、貝トーテムの系譜で連面としてきた「貝」への関心を示す。...

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名蔵貝塚の位相 2

 ここで改めて石垣島名蔵貝塚のトーテム段階の位相を測ってみる。 名蔵貝塚の貝類は、干潟の表現が多く、放射肋の発達した貝類が7~8割を占めており、シオマネキ段階にあることは確かだと思える。典型的なシオマネキ段階と言ってもいいかもしれない。...

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竹富島カイジ浜貝塚の貝 3

 竹富島カイジ浜貝塚のトーテム段階の位相を、改めて測ってみる。 カイジ浜の「外洋-サンゴ礁域(Ⅰ)」の構成比は、平安山原との比較からみると、すでにヤドカリ・トーテムの段階に入っているように見える。干瀬の表現は、Ⅴ層からⅢ層にかけて減っている(16%→3%)のもそれを示している。ただ、イノー(Ⅰ2)の表現は、平安山原のオウギガニ段階よりも高い。...

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貝塚時代後期の貝類

 貝塚時代後期の貝類から、トーテムを判断する目安を立ててみる。まだ大雑把なものだと思う。 仲原式土器のオカガニ段階では、陸の蓋のある貝が選ばれる。オキナワヤマタニシが典型的だ。オキナワヤマタニシは、ヘビ段階と苧麻段階で、ヘビ貝と苧麻貝になった層を持つ貝だ。オカガニの鋏貝は、コゲニナが典型例になる。...

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面縄貝塚の貝類の段階

 まず、あまりサンプルを見ることのない前2期から入る。オキナワトカゲのトーテム段階だ。  陸域が、他の段階に比べてやや高めなのは意味を持つ。トカゲの生息域に対応するからだ。その中身は、小粒の螺肋のあるマイマイ類が主になる。  具体的に上位10位の貝を見てみる。 オハグロガキは、おそらく殻口のギザギザとトカゲの口の歯との類似が捉えられている。口は、波照間島の外耳土器でも注視されていた。...

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ナガラ原東貝塚の位相

 なかなか視野の得られない前5期について、ナガラ原東貝塚の前5期の層と、前5期後1期の層についてみてみる。 ヒメクワノミカニモリ、イボタマキビ、コンシボリツノブエ、コイワニシ、ミツカドボラなどは、オカガニの鋏と見なしていい。すでに後1期に入りつつあるのかもしれない。 よく分からないのは、ミドリアオリやヨメガカサなど、オウギガニ段階で見られる貝たちのことだ。...

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木綿原遺跡の貝の段階

 木綿原遺跡は、土器から、 Ⅲ層:後期前半~初頭(後1期初頭)  Ⅳ層:前期後半~中期(前4期後半~前5期)  Ⅴ層:前期前半~前期後半初頭 (前4期) と読み取りされている。ぼくたちはこれを貝類で確かめることになる。...

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木綿原遺跡の貝の段階 2

 こんどは推移にフォーカスしてみる。 シャゴウが、Ⅴ層からⅣ層にかけて構成比を落とすのは、砂地にあり苧麻の葉の形と類似を見出せるシャゴウが、干瀬や岩礁の表現の強い前5期に重要度が落ちると見なすことはできる。 また、アンボンクロザメがⅣ層に出現するのは、大型の貝類が重視されるようになるためだと考えられる。

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貝塚時代前4期の貝類

 木綿原遺跡Ⅴ層の貝類を、伊是名貝塚に面縄貝塚を加えて比較してみる。 伊是名貝塚単体との比較に対し、共通する貝類は増える。伊波式、荻堂式、嘉徳式などの土器文様も想定しながら、苧麻の化身貝がどのように思考されたかを辿ってみる。 棲息地の近接からも思考されている陸産の貝類やシャコガイは脇へ置く。すると、いくつかの系列が見えてくる。 1.貝(の蓋)に付着した緑(茎を剥ぐとなかから白い繊維が現れる)。...

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野国貝塚の貝類

 サンプルの少ない前1、2期について、野国貝塚に当たってみる。(『野国貝塚群B地点発掘調査報告 (沖縄県文化財調査報告書 第57集)』から作成) 報告書による前1期(Ⅴ、Ⅳ層)と前2期(Ⅲ層)で、差異が気になるのは、 Ⅲ層にかけて、 ・スベスベ族、トゲトゲ族、ギザギザ族、オウギ族、タテタテヨコヨコ族二枚、シャコガイ族、マガキガイ族の構成比があがっている。 ・トンガリ族、マキマキ族二枚 ということだ。...

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徳之島犬田布貝塚の貝の段階

 犬田布貝塚の貝は、典型的な苧麻トーテム段階(前4期)を示すようだ。(『犬田布貝塚』より作成) ピックアップしたものと土壌を水洗して採取したものを対で表してみる。ピックアップしたものは、陸とマキマキ族の表現が強い。水洗して採れたものは、干瀬・礁斜面とタテタテヨコヨコ族やタカラガイの表現が強い。...

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ヤドカリ・トーテムの段階

 奄美大島笠利の用見埼、マツノト、安良川の3遺跡のトーテム段階にアプローチしてみる。ヤドカリであることははっきりしているから、ヤドカリのなかで区別を立てたい。 用見埼は7c、マツノトと安良川は6~8cであり、時期的に大きな違いはなく、砂丘上の立地も共通している。...

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安良川遺跡の貝類

 奄美大島の安良川遺跡の貝類からは、ムラサキオカヤドカリ・トーテムの化身貝の様相を知ることができる。 これらの貝たちは、ヤドカリの宿貝になるもの以外にも、類似が認められたものたちだ。改めて目を惹くのは、レイシダマシだ。マダライモもそうだが、これは眼柄で、島人がムラサキオカヤドカリのどこに目を凝らしたかが分かる例だ。 これは、フェンサ下層式土器の特徴のひとつである瘤状突起に対応すると思える。...

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マツノト遺跡の貝類

 奄美大島のマツノト遺跡からは、コモンヤドカリからムラサキオカヤドカリへのトーテムの変遷に目を凝らすことになる。 コモンヤドカリの化身貝とみなせる下層の白砂では、殻頂にかけて赤みがかるゴマオカタニシやゴマガイが印象的だ。...

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