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Channel: 与論島クオリア
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木綿原遺跡の貝の段階

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 木綿原遺跡は、土器から、

 Ⅲ層:後期前半~初頭(後1期初頭)
 Ⅳ層:前期後半~中期(前4期後半~前5期)
 Ⅴ層:前期前半~前期後半初頭 (前4期)

 と読み取りされている。ぼくたちはこれを貝類で確かめることになる。

Photo

 おおまかな構成からいえば、前4期のⅤ層に、陸産の貝類(Ⅴ)がないのは不自然だと言える。苧麻トーテムの化身貝は別の貝によって表現されているのを確認しなければならない。Ⅳ層の前5期は、干瀬、礁斜面が多く(3,4)、前5期らしさがある。オカガニかスナガニ段階と想定されるⅢ層は、タカラガイ科(○ギザギザ)があり、ここにカニトーテムが示唆されている。

Photo_2

 前4期の典型のように見える伊是名貝塚と木綿原のⅤ層を比べると、お馴染みマガキガイしか共通していない。かつ、前4期で重要な陸産の貝類が木綿原では見当たらない。土器による前4期相当という読みを前提にしたとき、Ⅴ層を前4期と言うことができるだろうか。言い換えれば、時期不明としてⅤ層をいたとき、前4期と判断することができるだろうか。

 まず、シャコガイからマガキガイの顔ぶれからは判別は難しい。シャコガイがトップである点からは、前3期ではなく、前4期以降であることは判断できる。

 7位のリュウキュウアリソからは、前4期、後1期スナガニ期、後2期が想定される。この下位にリュウキュウサルボウが位置しているので、後1期シオマネキ、オウギガニでもないと判断される。宿貝の少なさからは、後2期ではない可能性も見える。

 という、かろうじて前4期を想定することになるのかもしれない。

 陸産の貝類以外に、前4期を判別できる視点をもっと見出さなければならない。

Photo_3

 前5期相当のⅣ層には、西長浜原遺跡を当ててみると、多くの貝類が共通している。この段階では、大型の貝類、干瀬、岩礁の構成比が高まると考えられるので、いずれも前5期と見なしやすい。ただ、時期不明と提示された場合、前5期と断定できる材料をまだ持ち合わせていない気がする。

Photo_4

 後1期初頭、前半とされるⅢ層は、オカガニ、スナガニ段階のアマルガムに見えるシヌグ堂に対して、オカガニ段階の要素が強いと思える。



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