奄美大島のマツノト遺跡からは、コモンヤドカリからムラサキオカヤドカリへのトーテムの変遷に目を凝らすことになる。
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コモンヤドカリの化身貝とみなせる下層の白砂では、殻頂にかけて赤みがかるゴマオカタニシやゴマガイが印象的だ。
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この段階のマツノト遺跡では、陸産の貝類がひときわ目立つ。コモンヤドカリは、礁斜面から出現する。つまり、あの世からやってくる。だから、この陸産貝たちは陸のあの世からやってきたことを暗示している。マツノト遺跡の後背地の山には、あの世があったことを示している。
しかも礁斜面からの貝類の希少さは、陸のあの世が優勢になっていることを意味しているのかもしれない。