喜界島荒木貝塚の貝類。
マガキガイが出ないのは他の貝塚と似ていないが、カワラガイを1位とし、カニモリ類が続く構成は苧麻段階だと言える。伊礼原E遺跡とは似ている。
「サンゴ礫」が印象的であるとともに、「植物の根」は苧麻を想定させる。
荒木貝塚は、人工遺物が出土していないことから、自然貝層の可能性を持つが、黒住は人為的なものと判断している。「海岸の貝を中心とした砂を敷き,その上に大量の化石由来のカワラガイを選択的に持ち込み,集積させたものというもの」。
また、「カワラガイ貝塚の意味するところは,全くの不明であり,単なる想像でしかないが,隣接する「ムヤー/モヤ」と呼ばれる風葬の行われた“聖なる場所”との関連もあるのかもしれない」としているが、この貝塚があの世に位置するものだったのかもしれない。
1点の出土だが、ユリヤガイの緑が印象的だ。