オカガニ段階の高嶺遺跡では、チョウセンサザエとその蓋が、貝類のなかで目を引く。社会が母系化したとき、をなり-えけり関係は最初、何で示されたか。その関心からいえば、この対は絶好の素材になる。
(宮城島高嶺遺跡の住居址に残されたチョウセンサザエとその蓋)
いくつかの可能性のなかのひとつを抽出するにすぎないが、チョウセンサザエとその蓋とで、をなり-えけり関係を類推してみる。
a: (サザエ:蓋)=(1:1) 9、10、11、16
この場合、兄妹姉妹を示せないが、10号の(18:19)を姉と見なす。
b: (サザエ:蓋)=(1:2と2:1) 8、13、14、15、17
(1:2)が女性、(2:1)2:1が男性。13号(7:3)は15号(6:3)に対して兄。8号(8:4)はその兄。
c: (サザエ:蓋)=(1:9と9:1) 12、19
d: (サザエ:蓋)=(3:4) 6
この場合、兄弟が不在になる。ただ、bタイプ同士の兄弟姉妹婚の場合、男性(4:2)と女性(5:10)の婚姻なら、(9:12)になる。