アンチの上貝塚の位相
貝はトーテムであり人であるという視点からみると、アンチの上貝塚のイモガイ集積と小貝塚は対応しているのではないかと考えてみたくなる。 イモガイ集積は6基あり、小貝塚は8つカウントされているから、直接には対応しない。また、イモガイ集積も数はばらばら、1基はゴホウラ主体のものだ。...
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アンチの上貝塚の集積と小貝塚の位置を確かめてみる。 すると、集積と小貝塚は対応しているように見えてくる。 位置、フィッシャーの形態、サンゴ礫の有無などから、その対応は下図のようになる。 フィッシャーの形態、「細長形」と「円形」は、それぞれカニの「鋏(男性)」と「腹部(女性)」を意味する。サンゴ礫の有無は、「あの世」へ送るという所作だ。...
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集積の貝の意味をもう一度捉えてみる。 集積3,4は、コモンヤドカリの鋏。左の方が大きいことも数で示されている。結合する「女性カニ」と「ヤドカリの腹部」は小貝塚に置かれている。 ゴホウラ、アツソデガイ、アンボンクロザメのセットが「宿貝」へメタモルフォーゼするということは、宿貝に「をなり-えけり」関係が内包されているということだ。...
View Articleチョウセンサザエの「をなり-えけり」
オカガニ段階の高嶺遺跡では、チョウセンサザエとその蓋が、貝類のなかで目を引く。社会が母系化したとき、をなり-えけり関係は最初、何で示されたか。その関心からいえば、この対は絶好の素材になる。(宮城島高嶺遺跡の住居址に残されたチョウセンサザエとその蓋) いくつかの可能性のなかのひとつを抽出するにすぎないが、チョウセンサザエとその蓋とで、をなり-えけり関係を類推してみる。 a:...
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小貝塚1:鋏、小貝塚8:宿貝、Ⅱ層:腹部を意味しているなら、ヤドカリにおいて思考される貝が示されているはずである。 鋏:マガキガイ、アンボンクロザメ、オニノツノ 宿貝:シラナミ、ヒメジャコ、ヒレジャコ、シャゴウ 腹部:チョウセンサザエ、サラサバテイラ がそれに当たることになる。
View Articleシヌグ堂遺跡のジュゴン
住居跡からは、ジュゴンの遺骸や「骨錐」が出土している。遺骸について、肋骨が目立つのは、「骨器の素材として持ち込まれていたからにほかならない」とされている。ジュゴンの骨は「打ちたたかれ、断片になっている骨が多い」。 遺骸、「骨錐」は、40棟のうち28棟で検出されている。これは、をなり神であることを示しているのではないだろうか。ジュゴンは、兄弟姉妹婚を象徴していたからだ。...
View Articleシヌグ堂遺跡の推移
シヌグ堂遺跡は、Ⅳ層からⅠ層にかけて、海洋性の表現が高まる。オカガニからスナガニへの移行が示唆される。 また、マガキガイ、蓋が増える。「陸産貝」は、オカガニの化身貝を象徴すると考えられるが、「陸産貝」の構成比と、(鋏/腹)の構成比は以下のように推移する。 陸産貝 Ⅳ:91% Ⅱ:83% Ⅰ:60% (鋏/腹) Ⅳ:4% Ⅱ:83% Ⅰ:179%...
View Article平敷屋トウバルのイモガイ集積
平敷屋トウバル遺跡のイモガイ集積について、位置を確かめてみる。(『平敷屋トウバル遺跡』より作成) こうしてみると、集積1,3,5、集積2,6は、ひとまとまりに見ることができる。 集積1,3,5 シオマネキとしてオウギガニへのメタモルフォーゼを思考したもの。 集積2,6 シオマネキとしてオウギガニへのメタモルフォーゼを思考したもの。 集積7、8...
View Articleアンチの上貝塚の位相 5
修正を加えてアンチの上貝塚の思考にさいど接近する。 小貝塚と集積には、ヤドカリの「尾肢」も漏れがない。小貝塚側の2つのピットと「敲石兼磨石集積」だ。 ヤドカリが彷彿とするように画像を重ねてみる。...
View Article嘉門貝塚Bの位相
嘉門貝塚B区からは、37基もの貝集積が検出されている。ゴホウラ85、アツソデガイ30、アンボンクロザメ159、ヒメジャコ25である。 ポイントは、集積の両端に位置するように置かれたヒメジャコだ。これは、カニのなかでもここがオウギガニ段階であることを伝えている。ヒメジャコは、サンゴ岩のなかに入り、岩に潜むオウギガニの佇まいと似るオウギガニ貝なのだ。...
View Article具志堅貝塚Ⅱ層の位相
具志堅貝塚のⅡ層は、1区と2区で貝の構成が大きく異なる。1区2区 かつ、1区の出土数は2区を大幅に上回り、1区からはゴホウラ、アンボンクロザメの集積が3基検出されている。貝の構成からみれば、1区はオウギガニ段階、2区もオウギガニだが、コモンヤドカリ色を強く持つ。...
View Article新城下原第二遺跡のトーテム段階 4
新城下原第二遺跡のトーテム段階をさいど測ってみる。Ⅵ層Ⅱ地区Ⅴ層川跡3層Ⅱ地区川跡2 Ⅵ層はツノメガニを残しながら、シオマネキが主体になり、オウギガニ段階にも入っている。ツノメガニを示すのは、カンギク、マガキガイ。 Ⅴ層では、ツノメガニがほぼ落ちていると考えられる。シオマネキ・オウギガニ段階。川跡3層Ⅱ地区川跡2では、オウギガニが主体になる。ツノレイシ、ガンゼキボラがオウギガニ鋏を示す。...
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アンチの上貝塚(第1期調査)Ⅱ層、つまり、「をなり区」の石器を出土場所ごとに整理する。 ヤドカリの鋏(3,4号集積)の西奥の(ア-3、4)の石器は、シャコガイが思考されているのではないだろうか。(ア-4)は扇形としても見ることができる。 3,4号集積の(イ-2)は、オウギガニの鋏、その北の(イ-2)もオウギガニの鋏だ。(イ-2)の図3は、シオマネキなのかもしれない。...
View Articleアンチの上貝塚の位相 7
アンチの上貝塚第1期調査区では、「ゴホウラ製貝輪未製品」の出土場所が記されていないのがとても残念だが、ゴホウラは、オウギカニの腹部から鋏までを表現している。男性は女性の一部という思考も受け取れるのかもしれない。 「ホラガイ製容器」の図1,2は、2号集積の近くに置かれる。オウギガニの鋏と見なしていい。図3は、ゴホウラ集積のもの。つまり、集積のアンボンクロザメと同じ価値を持つ。...
View Articleアンチの上貝塚の位相 8
アンチの上貝塚Ⅱ層を「わなり-えけり」関係として捉えてみる。 貝、貝製品、動物遺体が圧倒的に「をなり」側にある。土器が「えけり」側に4割ほど充てられているのは、兄弟のsy守護という位相だろうか。これに対して石器は、圧倒的に「えけり」側になる。石器は、男性の化身道具なのだ。 女性が男性を守護するという「をなり-えけり」思考は、遺物によっても表現されている。それにしても圧倒的な霊力の差だ。
View Articleアンチの上貝塚の位相 9
アンチの上貝塚の動物遺体に接近してみる。 ヤドカリの左鋏(小貝塚1)からは、イロブダイの下咽頭骨とハリセンボンの前上顎/歯骨が出ている。 これは、カニの全体を指すのかもしれない。 アオブダイの下咽頭骨は、欠けた形で小貝塚1から出ている。 これは鋏と考えていいだろうか。...
View Articleアンチの上貝塚の位相 10
アンチの上貝塚の貝類をいくつか見てみる。 このゴホウラはオウギガニの鋏だ。 これらのタカラガイは、腹部。この場合は女性で、割られて「製品」と呼ばれているものは男性ということではないだろうか。 どうすればこういう形を取り出せるのか分からないが、このオウムガイは、イロブダイの下咽頭骨と似ている。やはり、カニを見出しているということだろうか。
View Article大堂原貝塚Ⅲ層の位相
大堂原貝塚Ⅲ層の遺構は、アンチの上貝塚と同位相の思考と仮定してみてみる。 情報が少なく、推理が膨らまざるを得ないが、貝集積について解すると、 こうなる。 集合炉は、女性カニを他界へ送るもの。アンチの上貝塚では、小貝塚の上を覆った焼けたサンゴ礫に該当する。 報告書の記述からすると、貝集積は時期がちがっている。...
View Article伊礼原A遺跡の貝集積
伊礼原A遺跡においてもアンチの上貝塚と同様の思考が見られる。 ヤドカリの尾肢は、伊礼原ではクジラの椎体で表現されている。 貝集中SS04の貝類は、オウギガニで腹部性が強い。報告書では「巻き貝は完形がなく」とあるので、なおさらそうなのだ。...
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