シヌグ堂遺跡は、Ⅳ層からⅠ層にかけて、海洋性の表現が高まる。オカガニからスナガニへの移行が示唆される。
また、マガキガイ、蓋が増える。「陸産貝」は、オカガニの化身貝を象徴すると考えられるが、「陸産貝」の構成比と、(鋏/腹)の構成比は以下のように推移する。
陸産貝
Ⅳ:91%
Ⅱ:83%
Ⅰ:60%
(鋏/腹)
Ⅳ:4%
Ⅱ:83%
Ⅰ:179%
陸産貝が構成比を落とすのは、スナガニへの移行と見なすことはできる。しかし同時に、(鋏/腹)において、
「鋏」の構成比も高まっている。これは、最初オカガニの化身自体と見なす視線から、鋏と腹部、つまり、をなり-えけり関係をみる視線へと変わってきたことを示すのではないだろうか。