東恩納寛惇の「琉球人名考(1924年)」(『東恩納寛惇全集 6』)を手がかりに、与論のヤーナー(童名)に対する理解を深めてみたいと思う。
まず、東恩納が「琉球本島」のほとんど全てを網羅したという童名から、接頭美称のつかない平民のものを音をカタカナ表記で列記する。うち、単純に与論と同じと分かるものに印をつけてみる。
トゥク ○
グラ ○
マツー ○
ジラ
タルー ○
カナー ○
カミ ○
カニマチ
シュタルー
イダルー
サカイ
ウトゥ ○
タマー ○
ンター
メーヌー
シュミ
ンダルー
グズィ
カマドゥ ○
ヤマトゥ
サンダー
イチ
マカルー
ニウシ
タマチ
イクサ
チルー
ミチー
ウシ ○
マカー
ナビィ ○
ジニー
ニュクー
グジ
マンチュー
シブー
カルミ
カバルー
マチフー
クルミ
マシチィ
タチー
ボー
ニョー
ヒャクー
フィゾー
与論のヤーナー(童名)は、『与論方言集』(菊千代)に頼ってピックアップすると、
男性
マニュ、ウシ、マサ、トゥク、マチ、ジャー、ハニ、トゥラ、ヤマ、サブル、グラ、ダキ、ハマドゥ、カミ、タラ
女性
マグ、チュー、ウシ、ナビ、カミ、ハナ、ムチャ、ウトゥ、タマ、マチ、ウンダ、クル
上記との単純比較でも、当てはまらないものが、マニュ、ジャー、マサ、トゥラ、ヤマ、サブルー、ダキ、マグ、チュー、ムチャ、ウンダ、クルと結構ある。これらの中の同じものと、当てはまらないものを腑分けしたい。その過程で、ナータイジレーのジレー、ミトゥガニのミトゥ、パマタイマジュマのマジュマへも理解を届かせられたらと思う。