胞衣とサンゴ礁は似ている。胞衣のおかげで子供は水中生活を送ることができる。サンゴ礁のおかげで、亜熱帯魚たちは外海に流されず、海中生活を送ることができる。
子供は、無の状態から胞衣のなかに有として現れる。亜熱帯魚たちは、無を渡ってサンゴ礁のなかに忽然と現れる。
胞衣は、「世」の霊力を出現させる母胎であり、サンゴ礁も「世」の霊力の現われである魚たちを育む母胎。
立石半島では胞衣はヨナと呼ぶ。ヨナはもともと砂州の意味。立石半島の常宮は、「産小屋の底になぎさの砂を敷く」習俗を持っていた。(cf.「産小屋の底になぎさの砂を敷く」)
いわば、「魚の胞衣」が、イノーでありユナだ。