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Channel: 与論島クオリア
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スクの予祝としての「笑い」

 嘉味田宗栄によると、久米島の儀間集落の東方アーラという霊地に向かう途中、海に面してアメーヌサチというちょっとした埼がある。 霊地アーラへの途中、アメーヌ埼にさしかかると、神女たちの一行は立ち止まり、小石を海中に投げて、「スクドーイ」(スクという魚の神さまのおかげで寄ってきているぞ)と連呼し高笑いをつづけるという。...

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胞衣とイノーあるいはユナ

 胞衣とサンゴ礁は似ている。胞衣のおかげで子供は水中生活を送ることができる。サンゴ礁のおかげで、亜熱帯魚たちは外海に流されず、海中生活を送ることができる。 子供は、無の状態から胞衣のなかに有として現れる。亜熱帯魚たちは、無を渡ってサンゴ礁のなかに忽然と現れる。 胞衣は、「世」の霊力を出現させる母胎であり、サンゴ礁も「世」の霊力の現われである魚たちを育む母胎。...

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「あの世」の島の系譜のひとつとしての「アロウ島」

 与那覇せど豊見親のニーリの一節。 にいら島 下りてぃゆ  ニイラ島に下りていき あらう島 下りてぃゆ  アロウ島に下りていき にいら太陽 御前ん  ニイラ太陽の御前に  あらう太陽 御前ん  アロウ太陽の御前に...

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久高島と淡路島

 鈴木宏昌は、「古代の難波」のなかで書いている。...

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始まりの場所の転移

 霊魂思考が駆動し始めると、トーテムや人間は「穴」から出現する。それは、始まりの場所であり、時間の起点を意味している。生と死が移行の段階にあるとき、主要な文物はそこからもたらされたと語られるようになる。トロブリアンドでいえばそれは「呪術」であり、マオリでは「入墨の技術」だった。...

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『サンゴの島々からの不思議な、贈り物』(@BB)

 なんだか告知が続いて申し訳ないけれど、こんどは下北沢のB&Bで、本の装丁画像や扉の写真を提供してくれた仲程長治さんや、「momoto」の松島さん、プロデューサーの大川さんとともに、本の刊行を記念したイベントを行ないます。...

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埼樋川貝塚と吹出原遺跡

 2月12日、考古学調査記録の地図を頼りに天久に向かった。方向音痴のぼくには地図でさえ、役に立たない。地図が役立たないのではなく、ぼくが役立てられない。そんなとき、新城和博の『ぼくの“那覇まち”放浪記』はとても頼りになる。...

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ぶなぜー神話の位相

 多良間島の兄妹始祖神話。...

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「奄美諸島の神山」(小野重朗)

 小野重朗の『南島の祭り』(1994)に挙げられている例に従って、山としての地上の他界の様相を見てみる。...

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「「青」と「オウ(オー)」の地名学」(貝崎茂和)

 ぼくにとっての収穫は、琉球弧で、奥武(オー)の他に同名由来の地名があるのに気づけたことだった。阿嘉島だ。 awa → aba → aha → aka という転移と転訛になる。 位置関係からいえば、座間味島の「地先の島」が「阿嘉島」はであり、「沖の島」が「慶良間島」だ。 とにかく、「奥武」から葬地を、青を解放しなければならないと思う。

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「胞衣笑いの深層」(飯島吉晴)

 飯島吉晴は、「胞衣笑いの深層-霊魂の交通」(『比較民俗研究』1994)のなかで、「胞衣笑い」は沖縄では民族事例が見られるが、本土では文献史料にしかない、としている。 胞衣を埋める場所は、間引いた子や死産児などを埋葬する場所と共通しており、家の内と外の境や世辻などこの世とあの世の象徴的な境界をなしていることが特徴になっている。...

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『神と巫女の古代伝承論』(保坂達雄)

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足掛かりとしての木山島

 鈴木宏昌は、「古代の難波」(『南島研究と折口学』1990)で請島について書いている。この島には「島固め」という祭りがあって、その祭りの時には、島の東南海上にある木山島と呼ばれる島に、請島の神をはじめとして大島郡全体の神々が「ニラヤ」から集まってくるという。そして、その木山島を足掛かりとして請島や大島郡のそれぞれの土地に渡ってゆき、それぞれの土地に鎮座する。...

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始まりの場所の転移 2

 他界の遠隔化に伴い、「あの世」の入口としてのナビンドゥは、地先の島へと転移される。もともと、地下の他界の要素が少なく、地上の他界が多く展開されたところでは、「地先の島」が他界の入口のように表象される。 新城島で、海から来るとも、ナビンドゥから現われるともされているのは、その拮抗を示している。

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『南太平洋のサンゴ島を掘る』(印東道子)

 印東道子の『南太平洋のサンゴ島を掘る』は、考古学の成果だけではなく、フィールドワークの手順や、それに伴う苦労や喜びもともに記されていて楽しかった。こういう記述があれば、考古学者を目指す人が増えるのだろうと思う。 印東が発掘調査を行ったのは、ミクロネシアのファイス島。...

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葬儀の「笑い」とトリックスターの神の神話

 山口昌男は、葬儀での「笑い」について書いている。...

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「イノー」と「ユウナ」と「胞衣」(登山修「ヒジャヤグマと産屋」)

 登山修が、胞衣について面白いことを書いている。...

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足掛かりとしての木山島 2

 木山島についての、ヨーゼフ・クライナーの記述。...

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アラ地名(外間守善)

 外間守善は、アラ地名について、いくつも検討しているが、このうち、地名の特徴がよく出ていると分かるものを挙げてみる。 新城島の古名アラスク。池間島のサンゴ礁域は外洋に対してアラハ。安田のアラハ。本部の突端にある備瀬の御嶽、アラサケ嶽。来間島の西方海端の西アラサキ御嶽。久米島の小高い山アーラ岳。 この他、本土のアラ地名へと言及は及ぶ。...

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「魚になった木の葉たち」(秋道智弥)

 ミクロネシア、サタワル島の魚の増殖儀礼が面白い(秋道智弥「魚になった木の葉たち」『季刊人類学』1989)。 魚の増殖儀礼は、カトー・イークと呼ばれ、集団的ではなく秘儀的に行なわれる。秘儀を行なうのは呪文と知識を習得した人、サウ・ロン。酋長がコウと呼ばれる贈与(ロープ、腰布など)を行なうと、儀礼が行なわれる。カトー・イークは、特定の呪文と呪薬(サフェイ)が用いられる。...

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