食べるということは、食べられるものと一体化するということ。「獣の腹の中にいた者は、そこから帰還したとき、呪術的な能力、特に獣に対する支配力を授けられるのである。帰還した者は偉大な狩人となる」。つまり、「獣がその手に身を任せる」ということ。
この思考が農耕の段階になると、「大蛇の腹の中で大地の稔が発見される」ことになる。
動物に呑みこまれること、大蛇のいる池で水浴すること、あるいは「海に呑まれること」や投げ出されることにさえ交替する(後略)(ウラジーミル・プロップ『魔法昔話の起源』)。
これらの記述に誘われると、ジュゴン儀礼では、少年が海に放り込まれる。その後、ジュゴンを食したということだ。