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Channel: 与論島クオリア
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「美弥良久」と「根の国」(吉本隆明)

 柳田國男が「根の国の話」のなかで、「美弥良久」(みみらく)を「三井楽」としたことについて、吉本隆明は書いている。 そうすると、日本から中国に行く場合に、この三井楽まではいわば「現世」で、そこから先は普通の人ではなかなか思いがとどかないところで、向こうへの行き方はよくわからない。よくわからないから、いってみれば「憧れの土地」との境界点にもなっているわけです。...

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「三井楽をめぐる国家と社会」(網野善彦)

 唐の商人円珍が、到着したのは「旻美楽(みみらく)崎」とある。それは中国大陸への出発地だった。現在の魚津ヶ崎(2)が言うところの「美弥良久埼」だとしたら、そのままミミラクと見なしてよいと思える。しかもそれは魚津ヶ崎のある半島の島人にとってそうだったのではないだろうか。...

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『化身の王国』(「珊瑚礁の思考カフェ」vol.3)

 3回目の「珊瑚礁の思考カフェ」は、『化身の王国』というテーマで行います。 クバヌハ世・アマン世(縄文期)の琉球弧では、海や山の主の精霊は動植物に化身し、その動植物たちもまた別の姿へと化身していました。それは異種間をまたぎ、存在の垣根を越えていきます。島は化身の王国でした。...

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「五島-常世への出発」(谷川健一)

 三井楽の浜は福江島でももっとも大きい砂浜で、そこには海辺の墓地がある。そこにはイルカが押し寄せてくることもある。砂浜の岩の上に、癩のために死んだ者の死体を置いて鳥についばませるようなこともあった。...

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「葬制の沿革について」(柳田國男)

 墓地は葬地と祭地のふたつの種類がある。 ハカという日本語は本来漢字の「墓」には相当せず、むしろこういう昔からの、葬所として特定せられた土地を意味していたかと思うが、確かなことはまだ自分には言えない。 サイノカハラは「語の元の意味は境のこと」で、「世を辞した人びとの去り進む地であった」。「蓮台」は通例「棺を運ぶ乗り物の名」。...

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黒島の針突き由来譚(『南嶋入墨考』)

 黒島での針突き由来譚(『南嶋入墨考』)。...

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蝶形骨器・針突き・貝符 5

 時代区分の感覚をつけるために図示しておく。 蝶形骨器は、開始と終了の年代は、あいまいなので点線で示す。蝶形骨器以降の表現は、別の形態で現在まで連綿としているということは、消滅を意味していない。一方、針突きは、発生の可能性は蝶形骨器の発生まで遡らせることができるが、確かめることはできない。

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大湯のストーンサークルと黒又山

 須藤良吉の『古代謎の証し―日本民族列島漂着考』によると、考古学者の江坂輝彌は、大湯のストーンサークルについてこう書いている。 古代人は山への信仰があつく神々は三角山に降臨し、そこから巨石や立石に宿るものと信じていた。大湯のストーンサークルの場合は、三角型の黒又山を降臨の場とした祭祀遺跡であり、巫女シャーマンのような人物が環状列石の中心に立って、神々を呼んだものであろう。...

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黒島の針突き由来譚(『南嶋入墨考』) 2

 黒島の針突き由来譚(『南嶋入墨考』)は、まだ考えることができそうだ。...

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『宗像大社・古代祭祀の原風景』(正木晃)

 今のところ当たりをつけるほどの意味しかないが、玄界灘の真ん中にある「沖ノ島」は、「あの世」の島の系譜に入るようだ。 ここは「神の島」と呼ばれ、「四世紀の後半から一〇世紀初頭に至るまで、六〇〇年近くにもわたって、祭祀がいとなまれつづけ」た。それは、遠隔化される以前の「あの世」の島として聖地だったからだと考えられる。...

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『宗像沖ノ島』

 大島の最高峰は、御岳(224m)で、その東麓の海岸近くの丘陵上に中津宮が鎮座している。海浜近い断崖の上に、沖津宮遥拝所がある。天気の良い日には、海上はるかに沖ノ島を仰ぐことができる。...

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『神の山へ―山岳宗教の源流をゆく』(久保田展弘、新妻喜永)

 『神の山へ―山岳宗教の源流をゆく』(久保田展弘、新妻喜永)から、備忘メモ。...

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葬法とシャコ貝 4

 安座間原第一遺跡の41号男性や木綿原遺跡の9号男性など、シャコ貝をまとった人骨の意味は、多良間島の胞衣埋めと同じだと見なせばいいようだ。 41号男性は、伏臥で頭部のまわりに、9号男性は、頭部と全身にシャコ貝が置かれていた。ことに41号男性は、頭部を包むように両側にシャコ貝が置かれているので邪霊と解されてきている。...

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シャコ貝・サンゴ礁・シュク

 「猿楽伝承に言う、不思議な子供を詰めたまま水中を流れてきた「壺」」。ミジャグチの伝承においても、「卵のような形をした、なにかの容器状のものに包まれて出現する童子のイメージが広くゆきわたっている」。容器はしばしば「新生児を包む胞衣として描かれる」ことが多い。...

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三輪山・御室山・泊瀬

 三輪山の背中には、この秀麗な山をだきかかえるようにして、御室山がどっしりと構えている。この御室山からは豊かな泊瀬(初瀬)川が流れ出していて、その水源のあたりは縄文時代からの祭祀の中心地になっていた。つまりそこには何か別の名前で呼ばれていた可能性もある「シャグジ」の神が祀られていた、と推定される。...

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「石と樹木の組み合わせで表現されるミシャグチ」(中沢新一)

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太陽とシャコ貝

 大型のスクはキラハニと呼ばれている。しかし、谷川健一は宮城島で「テダハニ」とも聞き取りしているから、このキラハニはテダハニと同一であり、太陽を意味している。 ところで、シャコ貝をアジケーと呼ぶのは、十字の意味を担うようになってからのものだとすれば、その古名に当たるものがあるはずだが、石垣島でギーラと呼ばれるのはその候補になるだろう。ところで、ギーラもティダなのではなだろうか。...

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『日本人の死生観―民族の心のあり方をさぐる』(五来重)

 山中他界の古層を探った五来重だけれど、その死生観は穢れ先験の観点だった。 風葬がよく見られたことについて、日本人が肉体を厭うことのはなはだしい民族で、その肉体を早く消滅させて、肉体が消滅すれば霊魂は浄化する、きたない腐敗していく肉体が存在すると霊魂は浄化されない、とかんがえていたからで、早く浄化させるためには、水に流してしまうか、あるいは風化させてしまうかの、二つの手段をとっていたのです。...

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浜下りの段階

 末吉亜梨沙は「キンマモンと沖縄の蛇聟入の関係性は深い」と考察している(「琉球王権と神話の歴史地理学的研究」)。これはとても面白い。キンマモンが出現するとされたのは 3月・6月・9月・12 月であるとされている。一方で、浜下り由来の話を始め、沖縄の蛇聟入のなかで胎内に宿っている子どもを流産させる話で登場する儀礼の浜下りは 3 月 3 日に行なわれており、キンマモンの出現する月である 3...

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「漲水御嶽の伝承」(末吉亜梨沙)

 末吉亜梨沙の(「琉球王権と神話の歴史地理学的研究」)から、もう少し示唆を得てみる。 漲水御嶽の伝承では登場する蛇が天上に昇る、つまり蛇が神であり、生んだ子どもたちも同じく神となったという伝承が多く残されている。その反面、悪いモノとして登場する蛇の子を浜下りを行なうことによって流すという話も存在している。 初期の段階では、 1.太陽の女神であるシャコ貝から人間が生まれる。...

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