バガ島ユングトゥ(『八重山古謡』下)
バガ島ヌ 我が西表島の
西表ヌ前ナガ 前方に
島ガマヌ 小さな島が
フンガマヌ 可愛い国が
ナリルンチョ 生まれているそうだ
近クユシ 確かめるために
マンカユシ 近く寄って真正面から
見アギリバ じっと見たところ
島ガマヤ 小島ではない
フンガマヤ 小さな国でもない
アラヌンチョ 島や国ではなくて(後略)
後に続くのは「米」と「粟」があったという話だ。
しかし、この古謡の前段は、身近なニライカナイが遠隔化されて、文化の発祥に生まれ変わる際の様が描かれている。ニライカナイは変形されるが、しかし身近なニライカナイが生命の源泉であった面影をよく伝えている。