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Channel: 与論島クオリア
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徳之島の「針突き」デザイン

 規則性を持ちつつ個人差も激しい傾向では、琉球弧のなかで極北にある徳之島の「針突き」デザインの典型例を抽出しようと試みる。小原一夫の『南嶋入墨考』がもっとも事例を提供しているが、なにしろ46例から、「手の背」について32例の文様が抽出できるのだから、バリエーションが極めて豊富だ。たしかめてないが、ひとつとして同じものはないと言っていい。頭が熱くなる。 それでも特徴を言うことができる。...

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喜界島の「針突き(tattoo)」デザイン

 喜界島の「針突き」デザインは、なんといってもアマン図形が際立っている。(図1:アマン、小原一夫『南嶋入墨考』) 「アママー」(鎌倉芳太郎『沖縄文化の遺宝』)と読んだ文様は、意外にすばしこいヤドカリの姿を彷彿とさせる。アマン文様は琉球弧でもポピュラ-だが、生き生きとした動きを捉えたものとしては喜界島が屈指だ。 右手尺骨頭部の「蝶」の文様も興味深い。(図2:蝶、小原一夫『南嶋入墨考』)...

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奄美大島の「針突き(tattoo)」デザイン

 奄美大島の針突きについて言うべきことは多いが、思考の内容は明瞭だ。 山下文武は『奄美の針突』で、大島の基本的な文様をたくさん挙げている。(図1:基本文様、山下文武・同前) これに先立ち、三宅宗悦は、基本模様として1(マキ、ゴロマキ)、2(亀首、カメンクビ)、3(アズバン)を挙げていた(「南島婦人の入墨」)。...

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沖永良部島の「針突き(tattoo)」デザイン

 まず、典型例から挙げてみよう。(図1:小原一夫『南嶋入墨考』)...

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与論島の「針突き(tattoo)」デザイン

 与論島になるとさらに採取数は少なくなる。典型例は下になる。(図1:与論島、小原一夫『南嶋入墨考』) しかし、採取数は少なくても示唆することがないわけではない。 まず、トーテムの座である左手尺骨頭部は、昔の砂糖キャンディ(名前が思い出せない)のような星型だ。(図2:左手尺骨頭部、小原・同前)...

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沖縄諸島の「針突き(tattoo)」デザイン

 沖縄島になると資料はぐっと増える。そしてそれに反比例するかのようにデザインのバリエーションは減る。小原一夫の挙げたたった4例でほぼ網羅できるほどだ。(図1:沖縄島の針突き:小原一夫『南嶋入墨考』) 上図では首里の二例で示唆されているが、那覇、糸満では、奄美大島や喜界島で見られたように段階がある。(図2:糸満の針突き:鎌倉芳太郎『沖縄文化の遺宝』)...

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宮古諸島の「針突き(tattoo)」デザイン1

 他の島々が塗りつぶす面を必ず持つのに対して点と線だけで針突きを構成しているのが宮古の島々だ。しかし、針突きが「点」と「線」に始まり「面」を持つのだとすれば、これは簡素化、省略化ではなくて、初源の方法を保存しているのかもしれなかった。...

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宮古諸島の「針突き(tattoo)」デザイン2

 宮古島の針突きについては、まだ言うべきことが残されている。手の甲の他にも、手首から下の腕に頻出する文様もあるのだ。    (図1:左・ユクズ-・ウマレバン(小原一夫『南嶋入墨考』、中央・イツクズー(五つ握り飯)宮古仲宗根所蔵本「文身研究」、右・握り飯)...

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八重山の「針突き(tattoo)」デザイン

 小原一夫が『南嶋入墨考』で挙げている八重山のデザインは、石垣島の一例のみだ。しかし、これは調査が行き届かなかったというだけではないのかもしれない。1975年に調査した市川重治も、石垣島で完全な文様を持つ人とは、たった一人しか出会えなかったと書いている(『南島針突行』)。(図:石垣島、小原・同前) そこで、三宅宗悦が採取した八重山、与那国島の例は貴重なものになる。...

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琉球弧の「針突き(tattoo)」デザイン

1.主要部位の文様 ここまできてぼくたちは、琉球弧の針突きデザインについて概観することができる。下表は、主要な部位について、各島でより古層の思考を感じさせることに視点を置いて、典型例を挙げている。 左手。(図1:左手主要部位の文様)...

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アイヌの口唇文身モチーフは鮭ではないだろうか。

 ばくぜんと「熊」だと思ってきたが、そうではなく、アイヌの口唇文身のモチーフは、「鮭」なのではないだろうか。 そう思ったのは、北アメリカのハイダ族のカジカを表した顔面彩画を見てのことだ。(フランツ・ボズ『プリミテヴアート』) カジカという魚は釣り針や、すねあての毛織物のモチーフになり、トーテムポールにも描かれるからハイダ族のトーテムのひとつと見なしていいだろう。...

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『消えゆく沖縄 移住生活20年の光と影』(仲村清司)

 本を取り寄せたら帯に「遺言」とあって驚いた。冒頭も生い立ちから始められている。ぼくより少し年長の著者なので、仲村さん、そんなに老け込む年じゃないよと気になって読み進めると、仙人にして野人ともいうべき心からの友人が沖縄を去り、他界したエピソードが語られ、こちらも胸が締めつけられてくる。その喪失感は耐え難いものがあるだろう。...

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「イヤの初」(金久正『奄美に生きる日本の古代文化』)

 金久正は、奄美大島では「そうなる宿命だよ」というとき、「そんなイャンハツだよ」という表現を使うとしている。与論なら、ヌサリというところだろうか。 金久はこれを「い矢の初(はつ)が挿される」と解している。「そうなるように、い矢の初(はつ)を挿されているのだ」という予祝として捉えているわけだ。 この「宿名観」を表わしたものが、「この島の片田舎」にはまだ行なわれているかもしれない。...

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「井戸ヌパタヌ子蛙誦言」の化身の法則

 西表島の「井戸ヌパタヌ子蛙誦言」に見られる化身について、何が思考されているか、整理してみる。1.井戸ヌパタヌ アブダーマ パニバムイ トゥブケー バガケラヌ生命(イヌチイ) 島トゥトゥミ アラショウリ2.家(ヤー)ヌマアルヌ プチィメーマ スーナウリ 魚(イオ)ナルケ バガケラヌ生命(イヌチイ) 島トゥトゥミ アラショウリ3.ヤドゥサンヌ フダチィメマ ウブドゥウレー サバナルケー...

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「蝶」が霊魂の化身である根拠

 ぼくたちは「蝶形骨器(ちょうがたこっき)」は、蝶をモデルにしていると考えてきた。(参照:「沖縄縄文時代の蝶形骨製品」(金子浩昌))(図1.蝶形骨器、真志喜安座原第1遺跡) それは「蝶」に似ているからということに加えて、琉球弧では、蝶が「死者」や「霊魂」の化身と言われていることも、この理解を促してきた。...

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スニとヌー

 『地名を歩く―奄美・沖縄の人・神・自然』のなかで、渡久地健は「スニ」地名について、4つのタイプに整理している。 1.外海に位置し、干潮時に干出する。 2.干出しない暗礁 3.干瀬の外側に位置する。 4.水深が深く底が見えない。 これらの多様性を持つので、「スニとは、ある一つのまとまりをもった海底の地形的な高まりである。好漁場となることが多い」というゆるやかな説明がふさわしいと、渡久地は考えている。...

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「太陽を生みだした母なる子宮」(名護博)

 『赤椀の世直し』のなかで名護博は書いている。...

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イジャンハジメ(出し初めの式)のトーテム揃い

 金久正の『奄美に生きる日本古代文化』でみた蟹儀礼について、より鮮明に捉える記述を見つけた。...

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バガ島ユングトゥ

 バガ島ユングトゥ(『八重山古謡』下) バガ島ヌ    我が西表島の 西表ヌ前ナガ 前方に 島ガマヌ    小さな島が フンガマヌ   可愛い国が ナリルンチョ  生まれているそうだ 近クユシ    確かめるために マンカユシ   近く寄って真正面から 見アギリバ  じっと見たところ 島ガマヤ   小島ではない フンガマヤ  小さな国でもない アラヌンチョ  島や国ではなくて(後略)...

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「サンゴ礁の民俗分類の比較」(渡久地健)

 渡久地健は、サンゴ礁は渚から外海側へ広がる「一連の自然」であるとしてその民俗語彙を整理している(「サンゴ礁の民俗分類の比較」)。 1.海岸 ハマ系とヘタ系 2.礁池 イノ/エノ/イノナ/イナウ 3.礁嶺 セ/スィ系からヒシ/ピシ系 4.礁斜面 セ/ヒシ/ピシ/ピー 5.ビーチロック イタビシ 6.「一定のまとまりをもった海底の地形的高まり」 スニ...

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