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Channel: 与論島クオリア
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「南島歌謡に謡われたサンゴ礁の地形と海洋生物」(渡久地健)

 これは、わくわくしながら読んだ。こんな研究がもっと進んでほしいと思う(「南島歌謡に謡われたサンゴ礁の地形と海洋生物」(渡久地健))。 渡久地は、八重山の「ペンガントゥレー節」での漁撈のさまを分析して、「女性―サンゴ礁の内側―底棲生物(ベントス)/男性―サンゴ礁の外側―魚類(ネクトン)」という関係がみられるとしている。 面白いのは、これが生き物の性とも対応しているように見えることだ。 女性...

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『シャイニング・ガール 凛と輪廻と幻獣龍』(吉行ギズモ)

 先日、知人に「わたしは現実的な人間だから、『君の名は』とか観ても、こんなのあるわけないと思っちゃうんですよ」と言われ、あるわけなくもないということを説明するのは難しいかなと思った。でも、「ひとりで妄想するのは好きなんですけどね。それはあくまで妄想だから」と、続けるのを聞いて、意外に接点はあるぞと思い返した。...

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徳之島流刺青

 徳之島は、琉球弧のなかで突出して複雑な文様を生み出していた(参照:琉球弧の「針突き(tattoo)」デザイン)。この島でハンズキと呼ばれた刺青(tattoo)には、まだ奥行きがあるかもしれない。 徳之島の手の甲の刺青は、この文様を基本要素にして、三つのタイプの文様が組み立てられていた。...

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「貝」から「十字」へ

 尺骨頭部について、「貝」の文様展開を一望してみる。 沖永良部島の「貝」ほど具象的なデザインはないので、左端に位置づける。四角形と円の貝は、具象的な例がないため段を下げた。 ここに尺骨頭部以外の部位の文様も加えてみる。 この遷移で重要なのは、円、四角形、十字はどれも「貝」から析出されることだ。 ただ、十字については、「蝶」文様からも得ることができる。

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「琉球弧・奄美の精神史」

 12月6日に、「琉球弧・奄美の精神史」と題して話をします。 主催者の意図は、沖縄の陰で知られていない奄美の歴史を話してほしいということだと思います。米軍統治下にあったのを知らなかった、与論に行ったら島の人が沖縄にシンパシーを持っていて驚いたと言われましたので。...

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霊力と霊魂の図形

 刺青における「霊魂」は、次の3タイプで描かれている。 宮古島では、トーテムと霊魂の座である尺骨頭部は同型だった。 これをぼくたちは、「盥(タライ)」を起点にした「高膳(タカゼン)」への遷移として捉えてきた。「盥」の前に置けるのはシャコ貝である。 奄美、沖縄で典型的なのは、貝と蝶の対をなす尺骨頭部文様だ。 この場合、動物も図形も異なるので由来は明確だ。...

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「『母ぬ島』が蘇らせる野生の琉球美」(珊瑚礁の思考カフェ Vol.6)

 12/14(水)は、 写真家・仲程長治の写真集『母ぬ島』の刊行を記念して、仲程さんの写真を見ながら、写真の舞台である石垣島の魅力や、その撮り方を存分に語ってもらいます。 『母ぬ島』はビジュアル・コンセプト・ブックとしても提示されているので、野生の琉球弧の美意識にも迫れたらなあと思っています。トーテムや神話、童名にも。...

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徳之島刺青の尺骨頭部

 徳之島の刺青思考は、まだ追わなければならない。琉球弧であれだけ重視されている尺骨頭部左右のトーテムと霊魂の座は、徳之島でどう捉えられていたのか。 まず、トーテムの座であり文様図形の基本になっているのが下図。貝を表すと考えられる。 この他に出現するのは下記で、これを見ても多くのデザインを開発したのが分かる。 これに対して右手の「霊魂」の座を象徴するのはこれだ。...

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トーテム・霊魂表現からみる琉球刺青の類型

 迷路にはまってしまいそうだが、徳之島刺青の尺骨頭部文様にもう少しこだわってみる。 分からないのは、右手の尺骨頭部が、トーテムを表しているのか霊魂なのか、ということだ。1.(貝:蝶=22)2.(貝:貝=2) 3.(蝶:貝=3)4.(蝶:蝶=21) 「蝶」だとしたら、左右の分布が異なるのは、はじめは〔1〕だったものがトーテムの意味が失われるにつれ〔4〕のタイプに置き換えられていったと考えることになる。...

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島尾ミホの刺青遊び

 琉球刺青を探究する道すがらでどうしても触れておきたいことがある。島尾ミホの「紅石」だ。 仲良しのイサッグヮと二人で私は小川の底から粘土質のビンイシ(紅石)を拾い集め、それを平たい石の面に摺りろしては互いの顔に模様を画いて遊んでいました。...

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「みみらく考」(松田修)

 松田修は、「みみらくの島」が、「死者に逢える島」に噛みついてる(「萬葉」75号1971)。 死者に逢える伝説の島は、福江島に比擬されているけれどそれとは別の神秘的な島がイメージされているというに留まるのではないか、と。現実の福江島は、「それは決して、死者再見の聖なる島みみらくそのものではないのだ」。...

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手首内側の文様の消失

 三宅宗悦(「南島婦人の入墨」)が採取した徳之島の刺青デザインは、小原一夫のとは微妙に違っている。...

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『魂の民俗学』(谷川健一)

 谷川健一の『魂の民俗学』の気づきメモ。 福江島の沖には高麗曾根が残っている。「島の言い伝えではそこで漁師が網を打つと、皿類だとか茶碗類ががらがらと引っかかってくる」。 これからすると、「みみらくの島」のひとつは、高麗曾根だったかもしれない。 多良間島では魚を捕らない。水納島から魚を買う。これは、多良間島にとって水納島がかつてのあの世だったことを暗示しているように見える。...

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こまかの澪、久高の澪

 考えみれば、「おもろさうし」のこの歌謡には、コマカ島や久高島がかつての「あの世」だったことへの想いが残響しているのかもしれない。豊穣の源という視線。うちいではとまりみぢへりきよが節 11-650(95)一 こまかの澪に 降れ 見物又 久高の澪に又 ざん網 結び降ろちへ又 亀網 結び降ろちへ又 ざん 百 込めて又 亀 百 込めて又 ざん 百 取り遣り又 亀 百 取り遣り又 沖膾 せゝと又 へた膾...

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「干ノ瀬(カンノビシ)」

 那覇沖の堤防の下には、「干潮時になると、大きな二つのサンゴ礁が顔を出す」(目崎茂和『南島の地形―沖繩の風景を読む』)。 古くからの漁場であり、北側は「自謝加瀬(ジイジャカビシ)」、南側は「干ノ瀬(カンノビシ)」と呼ばれている。 古来から堤防はなくても那覇の街を、この二つの台礁で波を砕き高潮を防いできたことは明白だ。そして那覇を沖縄一の港にしたのも、この礁の存在であったことは忘れてはならない。...

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安田村と伊部村

 国頭の安田ヶ島(アラハ)は、「海からあがってくる神の足だまりの場」(外間守善『南島文学論』)と言われる。イノー(礁池)にあった「あの世」の典型例だ。 安田村の隣りは伊部村。 安田は、もともとは「中空」を指す「awa」から転訛した言葉だ。 awa > aba > ara > ada 気になるのは、隣りの「伊部」だ。これも「awa」地名ではないだろうか。  awa > aba...

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「サルタヒコと日本神話のコスモロジー」(北沢方邦)

 イザナギの投げた杖はクナトの神だとして、それをサルタヒコと同一視してよいかというのが考えどころ。言い換えれば、その杖には、広々と葉が茂ったいるかどうか。 「サルタヒコと日本神話のコスモロジー」のなかで北沢方邦は書いている。 「貝による死と再生」は、「貝による生誕」と記号的に対をなす。...

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カタカシの類縁

 宮古でカタカシを「イジヤンカタカシ」というのは、「やかましい」の意味らしい(『原色沖縄の魚』(具志堅宗弘))。 ・浅海の砂泥地にまなりの群れをつくる。 ・砂地の上を遊泳している。 ・ヒゲでサンゴ礁をつつく。 砂を這うように泳ぐ姿は、蛇が這うのと似ている。髭がサンゴをつつくのは、蛇が舌を出して餌を探すのに似ている。こういうことだと思う。 沖縄では、ギランと言う。ここには、シャコ貝との類縁が見られる。

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奄美の貝の主

 新里貴之は、柳宗悦が発掘した万屋ナゴ浜の遺跡について、先史時代の可能性が低いとしている。ただ、面白いのは、柳によれば、シャコ貝を枕にして葬られていたことだ。 宇宿港遺跡 ・右肘関節付近にイトマキボラ科の貝が出土している。 喜念原始墓・喜念クバンシャ岩陰墓...

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『復刻 奄美生活誌』(惠原義盛)

 惠原義盛の『復刻 奄美生活誌』から。 ヤコウガイやシャコガイの殻は鍋、中位のは椀、ホタテガイの殻は杓子、ミミガイやベッコウザラはスプーン。童名の「鍋」には、貝が宿っているということだ。 ウミウサギ(ヨナスビ)は、子安貝。 貝は保護色をしているので、初心者には容易に見つけられないが、なかには周囲の色とちがう色で「きらきら輝いているのがいます」。...

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