素描に過ぎないが、琉球弧の精神史の各段階を霊魂やトーテムと対応させてみる。
― 約4500年前 定着期
・死者との共存
― 約4000年前 蝶形骨器
・霊魂の発生
― 約3500年前 風葬
・「あの世」の区別
・シャコ貝トーテム
― 約2500年前 交易期
・遺跡が低地立地
・蟹トーテム
― 約2400年前 蝶形骨器終了
・苧麻トーテム
― 約1000年前 グスク時代
・アマントーテム
シャコ貝は、空間的な他界の発生を象徴している。交易期(貝塚時代後期)になると、遺跡は砂丘・沖積地という低地立地になることが知られている。浜辺近くに住むのだから、これを蟹トーテムの段階と考えてみる。蝶形骨器の終了は、苧麻がトーテムとなり、ジュゴンを素材に使わなくなった段階と想定する。アマンは、蟹と貝の合体だから、蟹トーテムの後にくる。これは、性交と子の認識の受容を象徴している。
宮古を中心とした南琉球の場合、苧麻をトーテムとすることと、霊魂の発生とが近しい。トカゲは、蛇に比べて不完全な脱皮をするから、死の起源に対応していると想定してみる。
蛇 不死
トカゲ 死の起源
蝶 死者の発生
(蝶形骨器) 霊魂の発生
蟹 浜辺への移住
アマン 性交と妊娠の認識の受容