下野敏見が、徳之島井之川のハマウリと夏目踊りについて行っている考察を見てみる。見聞が1969年のものだ。
ハマウリは夏目踊りとセットで語られるが、踊りはしないというシマも見られる。母間と下久志。
三日目のハマギノで、用意された下野の「一重一瓶」には、ヒザラ貝が入っている。
ハマギノの自分の一重一瓶には、大きな二寸ぐらいのグジマ(ヒザラ貝)が入っており、固い貝でしたが、大へんおいしいでしした。
ここではカシリに注目しておく。
海辺に設ける竹枠の家、ヤドリはハロヂ(親族)ごとに作り、海側の一方はあけておきます。ヤドリの西南隅には、清らかなサンゴ石で竈(かま)を作り、その上にモチゴメの新わらで作った丸いカシリをおきます。
カシリは本来、物を頭頂運搬するときに頭の上に敷く台座ですが、ここでは、カシリに十字型の竹を刺して、その上に、新米のにぎりやごちそうの一部をのせた重箱の蓋をおきます。
「竈(かま)」は素材の通り「サンゴ礁」、十字のカシリは、ここでも「魔除け」の意味に解されているが、本来は「貝」を意味していると思う。
下野はヤマトの浜下りとも比較している。ヤマトでは、「神輿の浜降(くだ)り」が加わるのだとしている。