第二章、「洗骨文化の成立」。第一節、「洗骨の名称と意義」(酒井卯作『琉球列島における死霊祭祀の構造』)
洗骨の名称(部分的に抜粋)
1.複葬の意味
シツアゲ(奄美大島)
ホネアゲ(徳之島山)
クチトイ(座間味島)
フネトイ(宮古島池間)
2.清浄の意味
キヨラサナセオセリュン(奄美大島)
ミィクナス(与論島)
チュラクナスン(今帰仁)
カイシャリスン(八重山川平)
3.再生または先祖拝みの意味
マブリカンガタツ(奄美大島大和村)
トゥルミ(沖永良部島)
ミゥブル(与論島)
タンカー 誕生祝い(波照間島)
一部しか抜粋していないが、表現の多彩さに驚かされる。与論では、「チュラクナシ」しかぼくは知らなかった。「一つの地域の中で、右の名称一つだけが用いられているというわけではなく、いくつもの呼び方をしている(p.54)」。これは方言の違いではなく、複葬の中で着目している個所の違いだ。
死者を取り出す、清める、複葬、その際に「軽く」なる、守護神になる。再生。
メモ
洗骨には、霊魂の再生の観念が込められている。