「柴折りと死の伝承」(酒井卯作『琉球列島における死霊祭祀の構造』)。
「墓制が確立する以前」の埋葬方法は何だったのかという問題意識。そこで、「石積み、もしくは柴おきの習俗」への着目。
「柴をおく場所が山奥や峠であること。そこには行路死をはじめとして、少なくとも異常な死方をした者の伝説がつきまとっていること」。
「柴折りと行路死者の伝承の生じる理由は何か」という前振りが置かれている。これまでの説は、旅の安全祈願や霊域の標識、そして非業のな死に方をした者の葬法のひとつ、というもの。酒井は次節で、もう少し何かを見ようとしている。