第四部、「再生信仰の諸現象」。第一章、「骨噛みにみる共食と再生」。第一、二節、「はじめに」、「枕飯の共食」(酒井卯作『琉球列島における死霊祭祀の構造』)。
「枕飯は死者のための忌の召しであり、四十九日の餅は忌明けの食い別れの餅」(p.353)。
しかし、「沖縄では枕飯、つまりカタチノメー(人の形の意か)を食うし、四十九日の餅もまた頭(ちぶる)の餅といってこれを食う」。だから、この二つの行事はもともと一つのもので、「仏教の行事が死者の供養を引きのばしたために、一つの行事が二つに分化してしまったのではないか」。
見逃せない特徴は、「枕飯と同様に獣肉の共食が目立つこと」としている。たとえば、この日に豚を殺して死者の供物とする風習だ。