「血食の倫理」(酒井卯作『琉球列島における死霊祭祀の構造』)。
小野重朗。沖縄を豚の文化地帯、本土を餅文化地帯の二つに分ける考え方を退けて、獣肉を重視する古い食生活の姿を想定。かつ、獣肉は神への供犠というのではなく、供物にして共食する。(p.359)。
ウンジャミでは昔は猪、今は鼠。シヌグでは動物の供物はなく餅と魚。これらを一つの祭りの変化と見なせば、供物も、獣肉から餅、魚への変化をみることもできる(p.359)。
枕飯を食うことと、四十九日の骨餅を食うことの行事はもとは一つの行事であったこと。さらにその以前には死者がでると人びとはそこに集まって獣肉を供え、ともどもに食ったであろうということである(p.360)。
「琉球列島における血忌の考えは現在の内地のそれとは比較にならないくらい希薄」(p.358)。
「琉球列島では正月前になると、海辺では豚の悲鳴が横溢した」(p.356)。
ここから本題の「骨噛み」の習俗に入っていく。