「滴血確骨と生の充足」(酒井卯作『琉球列島における死霊祭祀の構造』)。
滴血確骨(てきけつかっこつ?)
・死者の骨に血を塗る風習。多くの枯骨の中から血縁の骨を選別する方法として、親族であった骨にはこれが吸着し、他人の骨と判別できるという考え(p.418)。
血は生命の根源で、一切の宗教的な功徳はこの血によって代表される。これは肉や骨など他のものでは代えることができないもので、血の呪術的な効用は、したがって魂の蘇生、あるいはセジ(霊)づけに大きな役割を果たす(p.424)。
そういった意味で洗骨改葬にともなう滴血は、たんなる「確骨」ということにとどまらず、そこには死者再生の信仰がこめられていたと考えられる(P.424)。
当初は人間の血を塗った。それを動物の血で代替。これを基本としたセジ(霊)づけの信仰。