初期の霊力思考では、生と死は、ひとつながりに「円環」している。死んでも、ふたたび再生する。死穢の欠如。
初期の霊魂思考では、生と死はつながっている。死は、肉体の消滅だが、生は別の形に「移行」する。生者と死者は混在している。生者の空間は死者の空間に隣接している。時間性としての他界。
霊魂思考が進展すると、生と死は「分離」する。死者の空間の遠隔化。死穢の観念の発生。他界の空間化。死穢は、再生、転生が信じられなくなることに対応するのではないか。
現在、死は「終結」。
「移行」の段階に入ると、「円環」の思考は途絶えるわけではい。霊力思考と霊魂思考はそれぞれに独立しているからだ。しかし、相互に影響は与えるし、霊魂思考の進展は、必然的に霊力思考を追い詰めるようにはたらく。「移行」の認識は、直線的であり、その認識が進めば、「円環」という認識に対して、ひとつながりになることはないと迫るだろう。