琉球・沖縄の時代と世代をつなぐワンテーマ・マガジン、「モモト」の24号のテーマは、「琉球・沖縄の死生観」。ここに、「珊瑚の島の死生観」と題した文章を寄せました。
文字を持たなかった時代の琉球弧の精神史に取り組んでいるので、ぼくには琉球弧の死生観というテーマはぴったりでした。また、母の他界の直後に執筆の時期が来ましたので、そういう意味では母の追悼文のように書けたのも幸せなことでした。
しかも、巻頭グラビアの7ページにわたって書かせてもらうという光栄。写真は、石垣島の仲程長治さんに依るもので、これがまた素晴らしすぎて、ぼくの文字がせっかくの写真を台無しにしていないかと冷や冷やします。仲程さんの写真と言えば、朝日新聞に連載している「琉球グラデーション」を見れば、その美しさに見惚れてしまうでしょう。
グラビアは全部、仲程さんが写した与論島。しかも、与論島は、巻末の「琉球百景」でも取り上げられています。よく見知った島なのに、まったく新しい表情が浮かび上がって新鮮。与論ってやっぱり、何もない島というわけでないなと、改めて思わされた次第です。
「珊瑚の島の死生観」以外にも、「あの世とこの世の琉球史」として、墓や厨子、位牌、消えた喪の習俗、予兆などのコンテンツがあり、死生観に多面的にアプローチできます。
モモトは、沖縄でなら、コンビニでも手にすることができますが、本土では大型書店にはあるかも、です。手にする機会のある方は、ぜひ見て、読んでください。