喜界島南部の先山遺跡から出土した兼久式土器の接地面には、木葉圧痕がある。
この図を見ただけでは分からないが、報告書にはこう記されている。
11-17は全て,塞形土器の底部片で, 11, 12, 13, 16の接地面には木葉が圧痕される。使用した木葉は,オオハマボウでこの種の土器に一般的に見られる。また, 14, 15では,その痕跡よりサンゴ状のものを敷いたと思われる。 12,13, 16等の底部の形状は,南島でくびれ平底と呼ばれる。(「先山遺跡 喜界町埋蔵文化財発掘調査報告書(1))。
土器の接地面の圧痕は、これらが胞衣の位相にあることを示している。
ユウナの葉 - サンゴ - 胞衣
サンゴ礁は胞衣であり、サンゴ礁の化身態としてユウナの葉もあるわけだ。ユウナの葉はトイレットペーパーでもあった。
(胞衣-子)=(ユウナの葉-糞)
ここには、胞衣が子を包むように、ユウナの葉が糞を包むという思考が見られる。
それがなぜ兼久式土器、つまりムラサキオカヤドカリの段階で出現するのか、分からない。ユウナの花は、黄色に咲き、夕刻に赤みを浴びて散る。この男性性から女性性への移行がどこかで関係しているのかもしれない。