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Channel: 与論島クオリア
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「貝塚人骨とアイヌのイオマンテ」(河野広道)

 1935年、河野広道は、「貝塚人骨とアイヌのイオマンテ」で書いている。...

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「兄妹始祖とそれに続いて現れる人間でない子」(崎山理)の意味

 崎山理は、「創世神話のひとつのタイプとして兄妹始祖神話では、人間でない子が派生概念として登場する」として、「兄妹始祖とそれに続いて現れる人間でない子というモチーフの組み合わせが、とくにオセアニアと琉球、日本で見出される」としてきている(「オセアニア・琉球・日本の国生み神話と不完全な子: アマンの起源」)。...

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「波照間の村と井戸のつながり」(朝岡康二)

 朝岡康二は「波照間の村と井戸のつながり」(『村が語る沖縄の歴史 歴博フォーラム「再発見・八重山の村」の記録』)のなかで、スクについて触れている。「明らかな遺物・遺跡をともなわない「むら」」として。 「八重山の考古学では、琉球王府支配以前に存在したと考える集落を、「スク村」として把握している」。「「スク」がつくワーは、伝説的な英雄の居住地であった」。...

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「便所・産小屋」(宮田登)

 全国的に知られている「便所」の民俗事例。男女の一対を、便所を建てる時そこに埋めたり、内部に祀っておくというものである。便所参り、雪隠参りの習俗も、普遍的であった。正月と誕生後三日目と七日目に生児をだいて自宅と近隣の便所参りをする。便所は、正月と誕生という儀礼空間の中で意味を持っていることは注目されるべきであろう。 宮田登は、「便所」を「下肥のもつ植物の生命力を成長させる力」と結びつけて考えている。...

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「干瀬の人生」(柳田國男)

 干瀬はさながら一条の練絹のごとく、白波の帯をもって島を取巻き、海の瑠璃色の濃淡を劃している。月夜などにも遠くから光って見える。雨が降ると潮曇りがここでぼかされて、無限の雨の色と続いてしまう。首里の王城の岡を降る路などは、西に慶良間の島々に面して、はるばると干瀬の景を見下している。虹がこの海に橋を渡す朝などがもしあった、今でも我々は綿津見の宮の昔話を信じたであろう。(柳田国男「干瀬の人生」)...

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『縄文学への道』(小山修三)

 小山修三の『縄文学への道』から、例によって気づきをメモする。 衣装の素材としては、「編布(あんぎん)」が前期からすでに発見されている。原料には、カラムシ、アカソ、カジノキをはじめとした植物繊維。しかし、防寒用には不向き。...

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葬法とシャコ貝 2

 葬法にともなうしゃこ貝について、もう少し肉薄してみる(cf.「葬法とシャコ貝」)。 目を引くのは、安座原の41号、32号、木綿原の1号のように、頭の位置に置かれたシャコ貝だろう。特に、安座原のものは、頭部の両側を包むように配置されているのが、特異な印象を与える。木下尚子は、そこから「死霊の捕獲・封入の呪具」とみなしたわけだ。...

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ユナのイメージ連鎖

 砂州としてのユナのイメージ連鎖を辿ってみる。 イノーは、ユナ(砂州)を元に生まれた言葉。そもそも同じものだと見なされた。ユウナ(ハマボウ)は、ユウナに生える植物。これも、一体性のあるものとみなされた。胞衣(ヨナ)は、サンゴ礁海のあり方から似ていると捉えられたもの。ユウナと胞衣も似ている。...

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ヨナとイナ

 崎山理は、米山、米津などのヨネ地名の分布が九州から日本海側に比較的集中していることから、このヨネ、ヨナ(琉球地名でユニ、ユナ8)の分布は、弥生時代初期に、すでに日本海側から東北地方へかけて達していた稲作文化の軌跡と符合している。このことは、イネの穀実が「砂」から意味変化したヨネという言葉とともに、伝播していったことを意味する。(「日本語の形成とオーストロネシア語起源の地名」) としている。...

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ユナとイノー

 ユナ=胞衣だとすると、ユナ(砂)には、イノーの意味も含まれることがあった。というか、もともとユナとしてサンゴ礁海をみていた。また、逆に八重山では、砂をイノーと言うように、イノーにも「砂」の意味を持つことがあった。 ユナとイノーは相互に浸透しあっている。

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ザンとスク

 浜比嘉島比嘉村の浜下り、三月三日遊びには、女性は潮を蹴って身を清め、神女たちは白衣装で小岩島の平島に渡り、豊漁祈願をする。(仲松弥秀「イノーの民俗」) ザンの魚も、スクの魚も 引き寄せて、抱き寄せて、 オナリ・エケリが肝誇り、胸誇りみそれ (平島での神歌(ウムイ)) スクとジュゴンがともに歌われる例を挙げていきたい。ジュゴンと亀と比べて数は少ないだろうが。...

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ユナとイノー(中本正智)

 中本正智による、ユナとイノーの考察を見てみる。 1985年が初出の『日本語の系譜-新版』から。奈良時代、細かい砂を表わす言葉はマサゴ。一方、砂を表わす言葉にイサゴもある。平安時代に現われる砂であるマサゴは、マサゴとイサゴのコンタミネーション(混交)によってできたと考えられる。「安易な音韻法則は、かえって比較を後退させることもありうることを肝に銘じておきたい」。...

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ヨナとヨネ

 こんどは崎山理の考察、「日本語の系統とオーストロネシア語起源の地名」。 崎山は、ヨネを地名にした例をたくさん挙げている。与禰(佐渡)、米生(筑後)、米田(美濃)、米内(睦中)、米子、米塚(肥後)、米原(肥後)、米川(周防)、米倉(越後)、米子(信濃)、米埼(睦中)、米沢(羽前)、米代(羽後)、米田(播磨、美濃)、米津(三河、遠江)、米原(上総)、米丸(加賀)、米本(下総)、米山(越後、岩代)。...

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パピルのピル(土橋寛)

 土橋寛は、1965年の『古代歌謡と儀礼の研究』で、ヒルとヒヒルについて考察している。...

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おのころ島と淡路島 4

 吉井巌は、『天皇の系譜と神話』(1967年)のなかで、イザナギ・イザナミによるおのころ島と国生みは、「元来は別個の集団に伝承せられた、神話的思考を異にする集団のそれぞれの所産であったと考えられる」と指摘している。吉井は、そのふたつを「漁撈呪言型の国生み伝承と男女国生み型伝承」と呼んでいる。 そして、「天浮橋」は何か、と問うている。...

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「琉球アルカイック・デザイン・針突き(tattoo)の心層」

 書籍の『珊瑚礁の思考』にちなみ、「珊瑚礁の思考カフェ」と称して、琉球弧あるいは縄文の野生の思考を探るプロジェクトをスタートすることにしました。...

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『日本の神々』(谷川健一)

 谷川健一の考えとの違い、言い換えれば、何が更新されなければならないかを探ってみる。 「青の島」と呼ばれる地先の小島は、舟で死者を運んで洞窟に葬ったところで、「死者の洞窟の中はうすぼんやりとした黄色な光に満たされているので「青の島」と称した」。...

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満潮時の胞衣埋め

 飯島吉晴は、『笑いと異装』のなかで、沖縄の胞衣について整理して、こう書いている。沖縄では、通常、胞衣は竈の後ろの灰の中に紙やユーナの葉に包み、しかも満潮時に埋めるものとされている。...

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「ビジュル信仰」(平敷令治)

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ヨナ・ヨネ地名

 崎山理の「日本語の系統とオーストロネシア語起源の地名」から、挙げられているヨネ、ヨネ地名をプロットしてみる。 崎山は書いている。このヨネ、ヨナ(琉球地名でユニ、ユナ)の分布は、弥生時代初期に、すでに日本海側から東北地方へかけて達していた稲作文化の軌跡と符合している。このことは、イネの穀実が「砂」から意味変化したヨネという言葉とともに、伝播していったことを意味する。...

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