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Channel: 与論島クオリア
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希薄な死と希薄な同性愛をつなぐもの

 八重山のアカマタ・クロマタ祭儀の背後で行なわれている男子結社への加入儀礼において、象徴的な死への接近が弱いことと、儀礼的な同性愛が希薄なこととを、それぞれ別の二つの特徴として捉えてきた。 しかし、これはつながっているのかもしれない。象徴的な死への接近が弱ければ、男性同士の結束が強い必然性もなくなる。それは、儀礼的な同性愛が弱められることを意味するのではないだろうか。...

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大陸に引き寄せられた小さな島嶼

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『野生めぐり』(石倉敏明・田附勝)

 あとがきに、「ただ、昼寝の前に本を読む。興味をもった事柄の本を読みながら、その興味を身体に入れていく。で、眠くなる。この本もそんな本であって欲しい」とあったのが気に入ったので、夜、眠る前に読んでいたら、列島に息づいた精霊たちと眠りにつけるようで心地よかった。 ただ、文字を持たなかった時代の琉球弧の精神史を探究してきた者にとっては、興奮してかえって目が冴えることもしばしばだった。...

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小さなお家

 伊藤慎二は、琉球縄文時代の住居の傾向として、「九州以北の縄文時代の住居址と比較すると、極めて規模が小さい」と指摘している(「琉球縄文文化の枠組」)。「径4メートル以下の水準に集中」し、それは、日本列島の住居規模と比較すると、「最小規模の部類に位置づけられる」として、伊藤は「直径3メートルの竪穴住居」と表現している。...

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与論島が「根の島」と言われたことの意味

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「船と戦争-記憶の洋上モデル-」(西村明)

 叔父が二人、戦死している。一人は中国の厚生省の病院という記録はある。ただ、南洋と聞いたこともある。船員だったというのも聞いたことがある気がする。この辺り、はっきり知りたいと最近、思うようになった。乗っていた船が撃沈されてという亡くなり方は、対馬丸をはじめ、知人づてに耳にしてきた。叔父もそういう可能性があるのだと思う。...

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他界の方位メモ2

 日本文化の南漸に拘泥した伊波普猷は、ニライカナイは、最初北方だったのが、三山統一後に東方に変わったと説いた。柳田國男は、「それはただ新しい名の入用は以前からなかったまでで、ニルヤはそう簡単に北から東へ方角を更え得られるような信仰ではなかった」として退けた。谷川健一は、これに「承服するわけにはゆかない」と強く反発して、三山の統一後に、東方意識が極度に強化されたとみた。...

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蛇頭の位相

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アボリジニの霊の三分割

 改めて読み返してみても、アボリジニには霊魂という概念は明瞭には現れていない。...

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天の他界への契機

 天界が他界と思われるようになるひとつの契機は、高神の発生だと思える。それは、天に昇るのが最終年忌にしばしば現れることに示されている。 宇検村では、三十三年忌に、「天に昇りんしょうれ」と言って拝む。最後の供養のときに、墓地に木を立てて燃やし、その煙で、天に昇るとするところもある。竜郷では、三十三年忌に、「天とうに昇れ」と言って墓に薄を刺す。...

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『「青」の民俗学: 地名と葬制』(筒井功)

 前に、琉球弧の「オー」の島は、アフ、アヲが結果的には、地先の島という距離概念に転化する意味を持つようになったと書いた(cf.「青の島は、間を置いた島」)。筒井功の『「青」の民俗学』を読むと、どうやらその事情は、本土も変わりがないようだ。...

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高神と移動の天界

 高神の観念が生まれたところでは、天の他界が発生するのは想像しやすい。棚瀬襄爾は、天界にはこの他の系列があり、それには「階層観念の存在が特色をなす(p.813『他界観念の原始形態』)と指摘した。また、ポリネシアに見られる階層の観念は、中央アジアやシベリアに分布する天の階層と同一系統であることも指摘している。...

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神高い島の系譜

 久高島がよく知られた「神の島」であるのを筆頭に、神高いと言われる島もたくさんある。浜比嘉島、その名からもそれと知れる大神島、池間島、伊良部島。ほかにもいくつもあるのだと思う。これらは、かつて「あの世」と見なされた他界の島だ。それがニライカナイの遠隔化とともに、神の島、神高い島へと変容する。...

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「蝶形骨器」の時代2

 蝶形骨器が「蝶」をモチーフにしているなら、その発生は家内での殯の発生を前提にすると考えられる。あるいは、遊動生活のなかで樹上葬や放置的な葬法が採られていてもいいわけだが、ここでは、家屋内での葬送を前提にしてみる。しかし、それは遺跡として確認されているのか分からないので、風葬を手がかりにしみてる。...

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『古代ハワイ人の世界観』

 ポリネシアや北方アジアの天界が階層を持つのはどうしてなのか。それを説明する文章がある。...

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『珊瑚礁の思考』、装丁

 出版社から装丁が届いたので、ここでもようやく紹介できます。一昨年の春から取り組んできた「文字を持たなかった時代の琉球弧の精神史」を、『珊瑚礁の思考』として刊行します。 ブログに書いてきたのは、調べものの備忘だったので、さぞ読み辛い思いをされてきたことと思いますが、ようやくまとまったかたちにすることができました。...

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「沖縄縄文時代の蝶形骨製品」(金子浩昌)

 金子浩昌の「沖縄縄文時代の蝶形骨製品-その素材と形態について-」(MUSEUM 東京国立博物館研究誌 No.649)は、図表も充実していて素晴らしいので、それに添って考えてみたい。 まずは、実物。 上と下では別々の製品だ。赤をバックにしているのは、これらが朱色に塗られた例があるのにちなんだものだと思う。...

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「ノロの衣装」(下野敏見)

 祝女はその上半身を「蝶」で覆う。 頭飾りには、ザバネを。...

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「蝶形骨器」から「背守り」へ

 琉球縄文のシャーマンを祖先へと化身させた「蝶形骨器」は、祝女の霊力を高める衣裳として、装身具として、三角形に形態化され、あるいは、玉ハベラのように名称のなかに封じ込められまでもして、継承されてきた。 けれどそれは、ふつうの島人にも手渡されてきている。下野敏見は大事なことを書いている。...

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蝶の位相

 不足していることは後で補えばいいとして、ここで蝶の位相を考えてみる。それには、蛇とアマンと比べてみるのがいいはずだ。 まず、蛇と蝶は、どちらもシャーマンが、一体化する対象として選んでいた。これは、アマンには見られない。このふたつについては、蛇-人間、蝶-人間という表象の片鱗を窺わせる。...

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