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Channel: 与論島クオリア
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マリンド・アニム族の他界と葬法

 ニューギニアのマリンド・アニム族では、成人儀礼の際に仮面が出現する。マヨ最後では、少女を穀物母神として集団で性交したうえ殺害し、穀物としての再生を祈願する(cf.「ハイヌウェレ神話とマヨ祭儀」)。彼らはなにかと行動が直接的で象徴化を得手としていない。そこで、他界や葬法にも象徴化を経ていない生の形が露出するのではないだろうか。...

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南太平洋の服喪の二類型

 樹上葬、台上葬における服喪は、剃髪、蟄居、塗身などがあるが、オーストラリアにおいて特徴的なのは、特に女性に課せられる「沈黙の掟」だ。一方、埋葬における服喪は、死者の名を呼ばないこと。 メラネシアにおける服喪は、性のタブー、蟄居、食物の制限ないし断ち物、剃神、墓上に寝ること、火を焚いて暖めること、死霊瞞着。 ニューギニアに多いのは、身体彩色または塗泥。...

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南太平洋の死体放置

 死体放置の原型を見ようとすれば、必然的に「死者を家に葬り、家を捨てる例」と同義になるが、もう少し琉球弧に近づけてみる。 例1.シタラ・ワニヤ族(セイロン島)。...

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琉球弧葬法の6類型

 琉球弧の葬法について詳細に辿るとすれば、家を去る/去らない、埋める/埋めない、改葬する/改葬しない、という態度の分岐を考えれば、2×2×2の8通りを考えればよいことになる。しかし、「家を去る」場合は、改葬する/改葬しないの選択肢はなく、「改葬しない」の1通りになるから、実際は6通りが想定できる。...

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琉球弧の樹上葬

 はたして琉球弧で行われた樹上葬は、古代からのものだったのだろうか。それとも新しく導入されたものだったのだろうか。 琉球弧における樹上葬の存在を明記したのは名越左源太だ。...

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オボツは他界なのか?

 J・クライナーは、「南西諸島における神観念・世界観の再考察」のなかで、シママモリ・シマタテの神を、「あの世」と「この世」の区別を持たない、「この世」の秩序を保つために村落に常在する神と位置づけている。一方、オボツ・カグラは、「あの世」を指し、従ってオボツ神は「あの世」から来訪するものとして捉えている。...

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葬地は聖地

 御嶽がかつての葬地だった例。 宮古島、狩俣のニスマにある大森(フンムイ)から北西にかけての地域を「青山」と呼ぶ。そこには古い墓が点々とあり、また青山の背後の崖下の岩陰にも人骨が納められているという。そしてそこに神女たちの籠る御嶽であるアガイウタキ(東御嶽)、イスツウタキ(西御嶽)がある。狩俣の村落はかつてニスマにあり、その付近の斜面上から低地へと移動してきた。...

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「イメージの力」展、見聞記2

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常在神とオボツ神の同一性と山中他界

 J・クライナーの「南西諸島における神観念・世界観の再考察」をもう少し、掘り下げてみる。 クライナーは、加計呂麻島のカミヤマについて三つの形態に分類している。 1.ウボツ(オボツ)カミヤマ 部落の一番、近い裏山。あるいは、その付近で一番高い山。そこに一本ないし数本の古木があって、その根元には線香と水が供えられている小さな拝所がある。...

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シヌグ踊り

 シヌグについて、たまたま符合する記述を見かけた。琉球の大祭はシヌグと云ふがこれは全く農業祭である。此の祭儀には東の方から男が、西の方から女が出て田遊の神事を行ふが、此の折には正視し得られぬほどのきはどい事をする(伊波普猷氏談)。是等の土俗は改めて説明するまでもなく、農業と生殖との信仰を表現したものである(中山太郎「人身御供の資料としての『おなり女』伝説」『生贄と人柱の民俗学』)。...

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J・クライナーの「滞在神」

 順番が逆になるが、J・クライナーの「南西諸島における神観念、他界観の一考察」の「滞在神」に焦点を当ててみる。 加計呂麻島や与路島のイベは、村の真ん中のミャーにある小高い所で、木が植えてあるか石がおいてあり、そこに神は一年中滞在している。その神をシマ守りの神、シマナオスの神といって、たいていノロかグジが祈っている。...

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霊力思考と霊魂思考における病因と治療法

 樹上葬や台上葬などの霊力思考の強いところでは、病因や死因は呪術によるものと考えられる。しかも呪術には、部族の掟を破ったため死者の骨が体中に入ったためというように、物質的に捉えられることもある。したがって、治療法は、原因となったものを取り除くことに求められる。...

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喪屋と岩屋

 金久正は『奄美に生きる日本古代文化』のなかで、奄美の葬法について書いている。 金久は、奄美の葬儀様式を、「喪屋」型と「岩屋(イャンヤ)」型に分けている。それは場所によるもので、「喪屋」型は、「部落内部の平地の草木に覆われた荒地」、「岩屋(イャンヤ)」型は、「部落を離れた山間や海岸の岩窟」である。...

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琉球弧の他界と神

 いままでのところで、琉球弧の他界と神について分かっていることを図解する。 まず、明瞭に認められるのは霊魂思考による地下の他界。そして、それが霊力思考と混融したために海底、海上へと伸びた他界。ここで、方位は、東西を取ることが多いが、南北を排するものではない。東は豊穣、西は死者の方位と見なされることが多い。...

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呪言の思考

 まず、ぼくたちは棚瀬襄爾の『他界観念の原始形態―オセアニアを中心として』にならって、呪術を、霊魂の捕獲という霊魂思考によるものと、物質の挿入とその除去という霊力思考によるもとに分けて考えることから出発しよう。 柏常秋は、『沖永良部民俗誌』のなかで沖永良部島で行われた呪言(クチ)を分類し、解説している。 1.呪言を飲食物に言い入れるもの、ふつうこれを単にクチという...

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骨の信仰

 松山光秀は「祖霊信仰」(『徳之島の民俗〈1〉シマのこころ』)のなかで次のように書いている。...

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「海神(ニライ神)の負荷」

 吉本隆明は、オシラ神に促された東北の婦女の出奔と琉球弧のオナリ神を位相同型として捉えようとした柳田國男について、次のように書いている。...

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高神と来訪神の混交

 琉球弧での来訪神と高神のあり方を踏まえると、吉成直樹の『マレビトの文化史―琉球列島文化多元構成論』について、理解しやすい場所まで来たのかもしれない。 謝名城のウンジャミでは、ノロなどの神女がニライ・カナイから神を迎えるが、ノロとは別の神女、「遊ビビラムト」が憑依し、神として踊る。...

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宮古島における天上と地下の対置

 吉成直樹は『マレビトの文化史―琉球列島文化多元構成論』において、宮古島狩俣のコスモロジーを紹介している。...

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天界信仰の葬法と思考

 天の他界と再生信仰は、オーストラリアの南部域に見られる。 事例1.ウォンガ・マズ族。死霊は、妻、兄妹または父の胸に住む。別の先住民は叢林を彷徨し最後には大きな洞穴に行き、再生する。またの先住民によれば天に昇る、という。 事例2.北部マズタラ族。死霊は喪者の胸に(儀礼的に)置かれるが、ついで叢林に住み、また天に行くとされ、また再生の可能性もあるという。...

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