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Channel: 与論島クオリア
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青の島は、間を置いた島

 ところで、地先の島としての奥武(オー)は、青という色として考えられている。 おもろ記事から古代沖縄の色彩概念を質してみると、赤・白・青・黒の四色しか見出せない。このことは奄美諸島も同様であったようである。赤と白は“明るさ”に通ずるが、そのうち赤は魔物にとっては怖いものであり、城は清浄に通ずる。黒は赤・即ち“明るさ”と対遮する暗黒・無・恐怖・穢れの世界を観念・想定する。...

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琉球弧葬法の三角形

 ぼくたちはここで琉球弧葬法を三角形として見ることができる。 ●で示した埋葬と風葬は起点でもあれば終点にもなりうる。○で示した「骨の処理」は、当然ながら終点にしかなりえない。埋葬と風葬は、異なる思考の産物だが、ここに琉球弧では埋葬から風葬への矢印を存在せしめた。それは、埋められないという珊瑚礁の地理的環境がもたらした条件だった。...

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「イメージの力」展、見聞記

 国立民族博物館の「イメージの力」展を観ることができた(cf.「参照用「仮面儀礼」一覧」)。なにはともあれ、写真画像でしか見たことのない仮面たちを目の当たりにしたかった。画像では伝わらないものを体感したかった。...

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マオリ族のハワイキにおける東西の対照

 後藤明の「海彼世界への魂の旅-オーストロネシア(南島)語族における死者の島の諸相-」によると、ニュージーランドのマオリ族におけるハワイキの概念は重層した意味を持っている。 1.ハワイキは祖先たちが公開してきた故郷である。 2.最初の人間が想像された場所。土をこねて作った人間に息を吹きかけて生命が宿った。この過程は人間が子宮のなかで繰り返している。人間の原境はハワイキである。...

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ニライ・カナイ、地の底から海上への転位

 ぼくたちは琉球弧に洞窟や叢林の奥から通じる地下の他界の観念が存在したことを見てきた。しかし、風聞に入る限り、もっとも知られているのは海の彼方とする海上の他界である。海上の他界とは何だろうか。...

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『野生哲学─アメリカ・インディアンに学ぶ』

 『野生哲学─アメリカ・インディアンに学ぶ』について、印象的だった個所を備忘しておく。 イロクォイ族では、部族の会議のために七世代にわたって及ぼす影響をよく考えなければならないと誓い合った。現在の政治家に詰めの垢を煎じて飲ませたい宣誓だ。 なぜ、七なのか。著者の菅啓次郎は書いている。...

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『「食べる」思想 人が食うもの・神が喰うもの』

 琉球弧では人間を食べたことがあった。その思考に接近するのに、村瀬学の『「食べる」思想 人が食うもの・神が喰うもの』を手に取ってみた。...

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『セデック・バレ』

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『セデック・バレの真実』

 『セデック・バレ』に心を動かされた勢いで(cf.『セデック・バレ』)、映画『セデック・バレの真実』も観てきた。この映画は、セデック族の家族が神話の地プスクニを訪ねるのを主軸に置いて、モーナ・ルダオの生き残りの末裔、同化政策のなかで警察官とその妻になった夫婦の末裔、先住民の一人を妻にした日本人警察官の子のことと、霧社事件の関係者の証言を集めたドキュメンタリーだった。...

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「われらみな食人種(カニバル)」と「狂牛病の教訓」

 オーストラリア政府の行政管理に移管される1949年以前には、ニューギニア内部の山岳地帯には、カニバリズム(食人)の風習がはびこっていた。「一定範囲の近しい親族の死体を食べるのが、その人に対して愛情と敬意を表すやり方だったのである」。...

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「仮面は生きている」

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死者儀礼のなかの仮面

 仮面は死者の表象であることを示すメラネシアの例。 事例1.アスマット族(ニューギニア南西部)。...

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成人儀礼のなかの仮面

 アカマタ・クロマタも成人儀礼を兼ねた仮面だが、その側面からの例をメラネシアに拾ってみる。 事例1.マリンド・アニム族。 マヨ祭儀の成人儀礼のなかで、仮面仮装の結社員によって神話が演じられる。(cf.「イェンゼンの「殺された女神」」) 事例2.トーライ族...

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豊穣儀礼のなかの仮面

 収穫を契機とした豊饒儀礼のなかの仮面。 事例1.アスマット族。...

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その他儀礼のなかの仮面

 死者儀礼、成人儀礼、豊穣儀礼の範疇に入らないもの、あるいは、豊穣儀礼の要素を持つかもしれないが、判断がつかないものを挙げる。 事例1.マンダング族(セピック河流域)...

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ロベール・エルツの「死の集合表象」

 ロベール・エルツの「死の集合表象」(『右手の優越―宗教的両極性の研究』)の研究を通じて、琉球弧の葬法理解を進めてみる。 エルツが取り上げているのは、インドネシアのカリマンタン(ボルネオ)のダヤク族を素材にした二重葬儀についてだ。1.あいだの期間 遺体はすぐ最終の墓場に運ばれるわけではなく、棺に入れられて一時的に家屋のなかや家とは別の場所の仮小屋に安置される。...

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「肉の霊」と「骨の霊」

 「肉の霊魂」に対する関心が強い段階では、身体に霊力が備わると見なされる。ビンビンガ族やワラムンガ族では近親者が食人を行い、ヌラモ族では死汁を飲むのは、死者の霊力を自身に取り込もうとするその最も直接的な表現だ。また、アボリジニのなかには埋葬を行った後、掘り起こした骨を身体にこすりつける部族がいるが、これも同様の行為であり、食人の間接化と象徴化であると言える。...

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原ハイヌウェレ型神話

 ハヌウェレ型神話は、殺された女(神)から穀物や有用物が発生するという筋を辿るが、それには古型があるようだ。 後藤明の『南島の神話』によると、ハヌウェレ型神話の紹介者であり命名者であるイェンゼンもその著書で「ウェマーレ族の観念のなかでは、女神ハイヌウェレと神的な動物、とくにウナギがその役割を果たすと書いているという。...

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霊魂の衣裳としての仮面

 福本繁樹によれば、メラネシアには「仮面」にあたる単語はない。多くの場合、仮面は死者、祖霊、もしくは神の名で呼ばれる。また、吉田憲司によると、仮面を有する部族社会では仮面は「顔」を指すのと同じ言葉で呼ばれる。どちらにしても、仮面が現実の顔の上につけられた「仮の顔」、架空の顔と区別されているわけではなく、顔そのものと見なされていることを意味している。...

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共同幻想としての霊魂

 影を霊魂と見なすことは、霊魂のイメージ化の兆しだった。ついで、水面に映る自身の姿を霊魂と見なすようになると、イメージとしての霊魂は独立しはじめる。そして肖像に霊魂が宿ると見なすようになる。精霊を描くということは、そこに精霊が存在することと同義だった。この段階まで来て、身体と霊魂は二重化される。霊魂は身体と分離して捉えられるのだ。...

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