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Channel: 与論島クオリア
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高神と来訪神

 霊魂や他界を考えるうえで、中沢新一の『神の発明 カイエ・ソバージュ〈4〉』は大きな示唆を与えてくれるようにみえる。そこで提示されたモデルはあまりに鮮やかで戸惑うほどなのだが、原理的な考察であり、琉球弧を典型として取り出しているので、接近しやすい。 ここでは、神の類型として、高神型と来訪神型が提示されている。 一つは「高神 High...

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アボリジニの三つの霊

 ここで他界の発生する前の姿に接近するために、オーストラリアの先住民、アボリジニから得られた死における霊魂の運動を見てみたい。狩猟採集を続けた彼らの死生観には起源の像が宿されていると思えるからだ。 『アボリジニの世界―ドリームタイムと始まりの日の声』によれば、人間が死ぬと、その瞬間に身体を構成している霊が三分割される。 そのひとつを著者は「トーテム霊」と呼んでいる。...

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来訪論 承前

 ぼくたちが来訪神と呼んでいるものに、概念としての言葉を与えたのは折口信夫だった。折口はそれを「まれびと」と呼んだ。「まれびと」とは何か。てっとりばやく、私の考へるまれびとの原(もと)の姿を言へば、神であつた。第一義に於ては古代の村々に、海のあなたから時あつて來り臨んで、其村人どもの生活を幸福にして還(かえ)る靈物を意味して居た(p.5 『古代研究〈3〉国文学の発生』)...

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ニーラ・カネーラ

 前花哲雄の「定説に対する疑問」(『八重山文化論集』1976年)。 八重山では、ニライ・カナイとは言わず、ニーラ・カネーラと言っていた。...

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新城島の来訪神儀礼

 「来訪神儀礼の成立をめぐる考察-沖縄・新城島の場合-」(植松明石『民俗文化研究』2000年)。 18世紀の「八重山諸記帳」には、「猛貌の御神」は、「草木に葉をまとい頭に稲穂を頂き出現」と書かれているが、既に「島中奇妙」と題されて、不可思議に見えていたのが分かる。植松は、アカマタ・クロマタのマタ=ムタを「仮面」の意味で捉えている。この儀礼は、「人々の血がさわぐ、忘れられない待ち望む祭」。...

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パーントゥと泥

 「来訪する神の再解釈 : 沖縄県宮古島市島尻の仮面祭祀「パーントゥ」を事例として」(佐藤純子、『民族藝術』2013年)。 佐藤は、来訪神とひとくくりに呼ばれることで、それぞれの個別性が見失われがちではないかと書いている。たとえば、 アカマタ・クロマタ、マツンガナシは、「豊作をもたらす神」。 アンガマは「祖先供養の神」。 パーントゥは「厄払いの神」。...

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萩原秀三郎の来訪神考

 萩原秀三郎の来訪神考。 南島の来訪神は古型。とすれば、草木を身にまとうのが原型。草荘神の草木は、草木そのものに霊性を認めている。大地に霊性があるのだ。その霊草はチガヤだ。...

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穀母の殺害と男子結社

 大気都姫が須佐男に殺害された後、大気都姫から穀物が生成される『古事記』の記述について。...

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パーントゥの変身

 「来訪神祭祀の世界観-宮古島・島尻のパーントゥの事例から-」(本林靖久『宗教民俗研究』2001年)より。 パーントゥへの変身。 ・キャーン(シイノキカヅラ)をまきつける。 ・つる草の小手には、ミーピ-ツナという縄を使う。スマッサリという悪魔祓いの行事で使われた縄。 ・頭部に、マータ(先を結んだチガヤを射し込む)。魔除けの呪具。 ・ンマリンガーの底のヘドロをつる草に塗りつける。...

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ハイヌウェレ神話とマヨ祭儀

 ウェマーレ族(インドネシア、モルッカ諸島のセラム島)の神話。...

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『加入礼・儀式・秘密結社: 神秘の誕生』のメモ

 男性の秘密結社は歴史的などの段階に置くことができるか。 男たちの秘密結社、つまり仮面結社は、「母権的な循環期」に創出されたものだとする考えがある。つまり、仮面の男たちは悪霊である祖霊たちなのだと信じ込ませることによって女たちを威嚇することにあった。母権制によって確立した女たちの経済的-宗教的優越を動揺させることを目的としたものだ、と。...

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イェンゼンの「殺された女神」

 アードルフ・E・イェンゼンの『殺された女神』から。...

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「人身御供の資料としての『おなり女』伝説」

 恐ろしいものを読んでしまった。 中山太郎は、「人身御供の資料としての「おなり女」伝説」(『生贄と人柱の民俗学』所収)のなかで、田の神への女性の人身御供を取り扱っている。これは1925(大正14)年に書かれたもので、すでに穀母としての女性の殺害と植物としての再生を知っているぼくたちには、理解できる内容だが、琉球弧の視点から見る時、人身御供としての女性の名を「おなり女」としていることが注目される。...

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穀物として再生するために殺害される女性としてのおなり

 また、気になるものを読んでしまった。 オナリは元々'沖縄を始めとする南西諸島で姉妹のことをいうが'自分の姉妹のことをオナリというのは男性のみで'女性は使わない 。オナリは呼び名として今でも使用されているという。古くは、姉妹はオナリ神として兄弟たちを守護するという信仰があり、兄弟の旅立ちには姉妹の持ち物をお守りとしてもらっていったという。...

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まれびとの「神話」と「歴史」

 鈴木満男は、『マレビトの構造―東アジア比較民俗学研究』1974年)のなかで、折口信夫の「まれびと」を、「神話」と「歴史」の二つのモデルに分類している。 第一次モデルが、主として神話の次元に関るものであること(歴史の次元においては、それは原始・国家以前の段階において最も純粋に現れること)。...

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トゥブアンとドゥクドゥク

 ニューブリテン島のトゥブアンとドゥクドゥク。...

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「大地・農耕・女性」

 エリアーデの『大地・農耕・女性』について、ぼくたちの問題意識にひっかかる個所を挙げていく。 大地はあらゆる存在表現の基礎。それは宇宙的。農耕の始まりとともに、それは地下的になる。 子供は父によって受胎させられるものではない。子供は父の存在によって合法的となる。父の存在は、彼自身をもって終わるのであって、決して他のものを通して次へと伝わることはできなかった。...

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精液原理

 マヨ祭儀を行っていたマリンド・アニム族。結婚にあたって新婦は、健康と多産のために初夜に夫と同家系の男達の性交の相手をして、精液の洗礼を受けなければならなかった。結婚後も出産の後の最初の月経がはじまり、妊娠可能期に入ると、それが繰り返された。(『縄文土偶の神話学―殺害と再生のアーケオロジー』)より)。...

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入団式のタイミング

 男子結社の加入礼がアカマタ・クロマタ祭祀のどこで行われているか。加入はアカマタ・クロマタ出現の前になされている。古見では、アカマタ・クロマタがきえた後に通過儀礼が行われている。祭儀の準備と同時並行に進む様は、増田和彦の報告がもっともよく分かる。  新城島のアカマタ・クロマタ。 1日目 願解き 2日目...

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農耕祭儀と成人儀礼

 来訪神の儀礼とはどのようなものか。...

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