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Channel: 与論島クオリア
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「ハイダ・グワイ風景論-トーテム・ポールの森の文化システム」(山崎邦夫)

 山崎邦夫は、トーテム・ポールについてとても印象的な文章を書いている(「ハイダ・グワイ風景論-トーテム・ポールの森の文化システム」『立教大学ランゲージセンター紀要』)。...

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旧石器的太陽神の来歴

 もう一度、「対馬神道(中沢新一「アースダイバー」第67回)」に立ち返ってみる。 天と地をつなぐ雷と蛇の要素があり、山にすむ森の女神がおり、女神は蛇=雷と交わって、動植物の命を孕む。「ムスビ」の原理が働いて、たくさんの命のミアレをもたらす。つまり、この最古層では、太陽の子供である「日子」とは。自然に生きる生命そのものを意味している。...

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「恵奈山」と「米山」

 吉田東伍は、『大日本地名辞書』のなかで、『大同類聚方』に記された「恵奈山薬 越後国三志摩雄之家伝也 元者少彦名神方也」を米山の初見として、「恵奈山」から「米山」への転訛を主張した。 『米山信仰...

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「胞衣笑いの深層-霊魂の交通」(飯島吉晴)2

 もともとの出典が分からないのだが、飯島吉晴は対馬の胞衣習俗について書いている。 対馬では、胞衣はミズハリといい、これに包まれて子が生まれるのはめでたいとして、「イヤマブイ」を寺からもらって一緒に埋めた。 対馬の任立村では、胞衣を「イヤ神様」と呼び、「よく洗って苧桶に入れその上に茶碗に盛った飯を供えて産婦に食べさせた」。...

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ヤドカリ占い(沢木耕太郎『オン・ザ・ボーダー』)

 面白い記述を教えてもらった。米軍統治下の与那国島で夫が航海に出ているあいだのこと。...

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池間島のアオヤッダ

 市川重治は『南島針突紀行』で、池間島の左手尺骨頭部の文様について、郷土史家の前泊徳正から文様アオヤッダ(アオヒトデ)について聞いてる。このアオヤッダは、深い海に棲息していて猛毒をもち、これを乾燥させて鼠の出入口などにおけば、その効果は抜群とのことであった。そうした猛毒を一つの効力とみなし、文様化して魔除け、厄除けの象徴としたのである。...

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「貝塚時代前Ⅳ期における南西諸島と南九州のインタラクション」(平良理揮)

 平良理揮の「貝塚時代前Ⅳ期における南西諸島と南九州のインタラクション-縄文的イデオロギーの転換・維持・変容」(『日本情報考古学会講演論文集』)から。 貝塚時代前Ⅳ期には。「尖底から平底様式への画期的な転換」が見られる。「貝塚文化独自の尖底様式から縄文的な平底様式へと大きく変化する時期」。...

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「ジュゴンの乱獲と絶滅の歴史」(当山昌直)

 当山は、ジュゴンの骨製品について、骨製品の場合は、出土しtからといって必ずしもそこにジュゴンが生息していたという証拠にはならない。島内の、または離れた島との交易、またはかの島に住む人からのプレゼントされた骨製品の飾り、ということもありえるのである。 と書いている。...

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「子方母天太」と「船立の神」(『宮古史伝』)

 慶世村恒任の『宮古史伝』から、「天太の世以前」を読む。 「子方母天太と大主兄弟の神々」を神話として見て、これを逆戻しにしてみる。 女が入る「原の小森」は、身近になった「あの世」のことだ。夜中に鳴る「雷」のような「異様な物音」は蛇の精霊の行為であり、翌朝訪れる「赤い鳥」は蛇の変形である。ここでも、蛇は鳥に変形されることがわかる。「赤」の色には貝も示唆されている。...

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「山立御嶽」(『宮古史伝』)

 慶世村恒任の『宮古史伝』。「天太の世以前」の「山立御嶽」。 押しかけ女房としてやってきた「仙女」と「仮寝」すると、一夜で家が建ち、仙女が持参した「小さな布袋」は一生食べても尽きない「米」を提供する。この「布袋」は胞衣のことだ。 そしてふたりは、「スズという大魚」になって布袋を持って、ミナコザの沖へ飛び込み失せる。異類婚姻譚としてみると、この結末はとても面白い。ふたりとも動物に返るのだから。...

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「峯間(んにま)御嶽」『宮古史伝』

 慶世村恒任の『宮古史伝』を続ける。峯間(んにま)御嶽。 友利村のアマリ山の下にわずかな村。津波により洗い去られる。アマリ山大ツカサは、アマリ山の嶺の上に草庵を結び一人住いし、「一匹の犬を愛養して」暮らしていた。...

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『初期心的現象の世界』(村瀬学) 三つの同じ

 もっとも印象鮮やかだったのは、村瀬にとって「初期」とは、時間的なはじめのことだけを意味しているのではないことだった。...

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『初期心的現象の世界』(村瀬学) 双葉ことば

 もうひとつ村瀬の言うことに立ち止まりたいのは、「双葉ことば」と彼が名づけたもののことだ。 「ワンワン」、「ブーブー」は文としての性格を持った「一語文」という理解に対して、村瀬は批判している。 それは文に行く手前で、「<指示決定-自己確定>の二重性を踏えた表現の形態であると考える」。「共同で指示決定した解釈を、〈自己〉が又決定し直す」ことである。...

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琉球語の音韻グラフ

 試行の域を出ないけれど、「濁音の同一と等価」を更新してみる。これは、もともと吉本隆明の「表音転位論」や「起源論」で行っていた訛音と必然的な転位の区別のモチーフを引き継いだものだ。...

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頭をはずして漁をする(『「物言う魚」たち』)

 後藤明は、ニューギニアの海岸からビスマルク諸島にかけて分布する、漁をするときに頭を外していたという「奇妙」な話を紹介している。...

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言葉の変態と動植物の変態

 言葉の変態による命名の系列をサンゴ礁から採ってみる。 ユナ(砂洲)-イノー(礁池)-スニ-ヌー(澪)-ウル(サンゴ) これは地名の系列だ。これには植物を加えることができる。 ユウナ(オオハマボウ)-ユナ(砂洲) これは発生の順番からいえば、ユナ(砂洲あるいはサンゴ礁)の変態としてユウナは生まれた。 同様に人間の考えられる。 イヤ(胞衣)-ユナ(砂洲)...

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「ひざら貝になった男」(沖永良部島)

 沖永良部島の龍宮譚では、「ニラの島」での別れの際、求められて、「蒔かずに作られる作物の種が欲しい」と所望すると、「クヂマ(ひざら貝)」をもらう。 男は「海へ行って楽にして食べよう」と思って、「舟の上でクヂマ貝の背中の殻を取り外したら、笛吹松自分がクヂマになった」。 これは男がトーテムである「ひざら貝」に戻ったことを意味している。...

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食物連鎖とトーテミズム

 「食」が人間の表現の主題だった段階では、人間と自然の関係は、「食うー食われる」と表現できる。ふつうには食物連鎖と言われているものだ。...

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「「女神土偶」と生成のコスモゴニー」(鶴岡真弓)

 なんといっても鶴岡真弓の「「女神土偶」と生成のコスモゴニー」が生き生きとしている。サンゴ礁の思考にとっても刺激的だった。 まずぼくたちのこだわりどころから入っていこう。 古代中国の漢字の解字からいえば、「文様」の「文」は「×」のしるしのことだ。「「いれずみ」を「刺青」や「入墨」ではなく「文身」と書くとき、まさにその意味が明示される」。...

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ユニの言語空間

 ユニ(砂)は、本土では意味が変わって「米」になる。そして、琉球弧にも流入する。この崎山理の説が魅力的なのは、サンゴ礁のクリーム色の砂と米粒は、言われてみれば似ているからだ。本土でしばしば見かける黒い砂よりも、米粒のほうが似ている。そちらのほうが「ユニ」と呼ぶにふさわしいと思える。...

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